chocolate...【黄】 (ページ13)

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【Hikaru Side...】

最近家の近所にできたショコラトリー

そこのチョコがほんとに美味しくて、
毎日のご褒美にと通っていた。

、、なんてのはただの口実。

オープン前から、店の前を通るたび
中で忙しそうにしている店員さん

その中に、ひときわ輝いてみえる、1人の女性がいた。

笑顔がとても素敵で思わず見入ってしまった。

通るたびにガラス越しに中を覗くと
すごく楽しそうに仕事をしている姿。

その姿を見るたびに惹かれている自分がいた。

こんな仕事をしていると、女性との噂とか
週刊誌にでも載ったらとか考えると

つい恋愛沙汰とは避けていたけれど、

いわゆる一目惚れ？しかも一般人に？
なんて、特にどうしたらいいのか分からず、、、

まぁ、特にどうこうしようとかないけど、
とりあえずオープンは５月１日。

(仕事帰りに、寄ってみるか、、、)

そして、オープン初日。

仕事で遅くなってしまったけど、
明かりはまだついている。

やっとあの人と面と向かって話ができる。
そう思うとドキドキしている自分がいて、

はやる気持ちをなんとか抑えて、
店の扉を開けた。

『あ、まだやってますか？』

あの人は扉に向かって来ようとしてる
ところだったのか、
思ったより近くにいた。

(あれ？思ったより若い？
　思ったより、、、小さいくて、、可愛い。)

可愛い。と思ったら、顔が火照るのが分かり
バレてないか焦って、
それを隠すように言葉を再度重ねた。

『あれ？終わりですか？』

「あ、いらっしゃいませ。
　まだやってますよ！
　と言っても、もう少ししか残ってないですが、、、」

そう言ってニコッと笑うその人。

制服の帽子にマスクを付けていて、

目元しか見えていないけど、

化粧をしている感じはしないのに
目はパッチリでまつ毛も長く
すごく整っている印象だった。

(ヤバイ、、、可愛い。)

ショコラと焼き菓子を選んだら、
サービスしてくれたその人。

すごく若く見えたから、学生さんかと思ったら
まさかの店長さんで、
ということはもしかしたら、
年上かもしれない。

と思ったけど、

女性にあんまり年齢聞いたら失礼かな
と思って聞かなかった。

それから、自分へのご褒美
という口実で毎日通った。

行くたびに「イワモトさん！」と
笑顔で出迎えてくれるようになって、

でもそれだけじゃ満足できてない、
俺がいた。

(もっと仲良くなりたい。
　もっと彼女のことを知りたい。)