chocolate...3【黄】 (ページ2)

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sweet...98 ページ2

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照と会って、

自分でもびっくりするくらい

それ以降、仕事が頑張れた。

やっぱり会わないって判断したのは間違いだったんだなぁ…

少し会えただけで、
顔が見えただけで、
声が聞けただけで、
触れ合っただけで、

こんなにも心が軽くなって
心が暖かくなって、

力がみなぎってきた。

照はどんなパワースポットよりも
パワーを持ってるよ、きっと。笑

照パワーのおかけで
なんとか14日
バレンタイン当日がやってきた。

朝からすごい数のお客さんが来てくれて

信じられないくらい売れた。

たくさん用意したにも関わらず、
午後にはほぼ売り切れてしまい、

残すところは予約のみとなっていた。

『なんとか乗り切った！』

もうずっと休みなく働いてくれてた
元とライカちゃんには早めに帰ってもらうことに。

『2人とも本当にありがとう！お疲れさま！』

ラ「お疲れ様でした！
　お先に失礼します！」

『はーい！気をつけてね！』

ライカちゃんが出て行った後、

今日１日ずっと何が言いたそうにしてた元が、
帰り際に話しかけてきた。

元「…なぁ、A」

『ん？なに？』

元「…ごめん。俺、勝手なことした。
　今日が誕生日…ってこと、あいつに言った。」

『あー…全然。気にしないで。
　むしろ言ってくれてありがとう。
　自分からは言いにくいからね。笑』

元「…今日、あいつとは？」

『この後、会うつもりだよ。
　
　
　…会いたいと思った時にさ、
　会えるってことが
　当たり前じゃないってこと。

　よく分かってたつもりだったのに…

　そんな大事なことを忘れてた。

　だから、元、ありがとうね。
　いつも本当に、ありがとう。』

元「…そっか。
　こちらこそ、あ、ありがとう。」

『ふふふっ』

毎年この日は
悲しい気持ちを誤魔化すために

ほんとに忙しいってのもあるけど、

わざとあえて
もっともっと忙しいフリをしてたけど、

今日は、今年は、
わくわくしてる。

照に会えるからかな？

ほんとは、
まだ少しだけ、悲しい気持ちもあるけれど

それもきっと
照ならそんな気持ちごと包み込んでくれる。

元「…じゃぁ、帰るわ。

　 …あ、誕生日、おめでと。
　これ、やる。」

『…え？』

そう言って元は私の手に何かを握らせて、
そそくさと帰っていった。

手の中には可愛くラッピングされた、
ハンドクリームが握らされていた。