ナイトとツンデレ (ページ47)

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ナイトとツンデレ46 ページ47

歌番組は無事終わり出演者がぞくぞくと舞台袖へと戻ってくる。
その中には(人1)の姿もあったが……

『ねぇ～(人1)ちゃん♡
一体どれだけの男を落とせば気が済むの～？』
『遊んで捨てて遊んで捨ててるってほんと？』
『チョーシのりすぎだっつってんだよ』

罵倒されても(人1)は表情を崩さず聞いている。

『顔がよくてスタイルもよかったら何でもし放題だもんね～』

はぁとため息をつき(人1)が静かに口を開く。

『私は別に顔もスタイルもいいと思ったことはないわ。
でも歌なら負けない。あなた達みたいに努力もしないのとは違う。』

『……このっ！』

怒った1人のアイドルが(人1)の頬を叩こうとした時無意識に真緒の体も動いた。
頬を当たる直前にその手を掴み止めた。
さんざん罵倒していたアイドル達も男が現れたせいかそそくさに逃げていった。
当の(人1)はふぅと息を吐くだけだった。
かれんも少し離れた場所から見守る。

『(人1)……』

真緒が心配そうに聞いてくる。
心配だから、幼なじみだから、弟みたいな存在だから。だから知ってほしくなかった。
それが(人1)の気持ちだった。

『だから来るなって言ったの。
あなた達は芸能界の裏を知るのはまだ早いから。
こんな気持ちは……知らなくていい』

そう言い残しその場を去った。
それと代わるようにゆっくりとかれんが近づいてきた。

『(人1)はトップアイドルだから。
変な噂は立つし狙われちゃうの。』

『でもかれんさんは言われてないないじゃん』

スバルが素直に問う。

『私は(人1)が…(人1)が私に危害がないようにしてるの。
いつも傷つくのは自分ばっかり。
いつも泣いてるくせに……』

知らなかった。
こんな事も、泣いているのも。
凜月なら知っているのだろうか？

(俺だって幼なじみだろ……！)

考えるより先に真緒の足は控え室へと向かっていた。
(人1)の口から真実を聞くために。