ナイトとツンデレ (ページ12)

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ナイトとツンデレ11 ページ12

〜泉side〜

教室に入ると珍しく(人1)が来ていた。
それほどでもないけど(人1)とは昔モデルで仲は良かったがある時から性格が変わった。
昔は泣き虫で恥ずかしがり屋で…でも優しくて。
そんな考えをしながら机まで行き、イスをひいて座ると不意に(人1)が顔をこちらに向けてきた。
相変わらず綺麗な顔立ちだが今日はその綺麗な蒼色の目にくまが出来ていた。

(らしくないよねぇ…睡眠とか食事とか気をつけるやつだからね〜。)

などと考えていると(人1)の口が開いた。

『あ、ねえ瀬名…』

その口からはいつもの強い口調でも、強い意志のある声でもなく弱々しい声が漏れた。
不思議に思いつつもなにと返すと

『私に…料理を教えて欲しいの。
その、お願いします…。』

一言で言うと昔の(人1)に戻った、が正しいだろう。

(お願いしますってガラでもないしねぇ？
いきなり料理ってのも意味不明〜。)

などと心の中では色々な事を考えたが泉はあえて口に出さなかった。
世の中言わない方が良い事もあるとはたぶんこの事だろうと思った。