僕等のマンネは片思い【SVT】4 (ページ15)

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エスクプス side

諸々の連絡を終え時計を見れば数十分が経過していた
部屋に戻ればAが眠っているかもしれないと静かに病室のドアを開ける

Aは眠ってるどころか座って顔を覆うでもなく無防備というより自分の顔から涙が流れてるのを拭うことすら無関心で虚無といった様子で涙が流れるままの姿が俺の目に映る

目の端で動いたのに気付いて俺と目が合う
一気に正気に戻ったみたいに慌てた様子で体育座りの膝に自分の顔を埋めて両手で自分の耳と頭を隠すみたいに覆ってしまう

you『なん…帰ったんじゃ、忘れ物ですか？』

SC「心配で帰れなかった。ほら腕下げないと、点滴が逆流しちゃう」

you『明日、来てくださっ、元気に、笑顔でいるから』

顔を埋めたまま泣き声を抑えるように喋るせいで呼吸が荒くなりかける
Aの震えてる身体を見てたら居てもたってもいられず頭を一度撫でて
ベッドに腰掛けて点滴がされてる腕とは逆の腕を俺の方に引き寄せる
泣き顔でも顔が見れて安心しながら俺の上に座らせて抱きしめる

SC「元気に、笑顔にならなくても良い子にならなくていい、泣きたいならオッパが一緒に居てやる」

you『オッパだってAが嫌いになります、酷いこと…自分のことばっかだから優しくされちゃいけないんです』

SC「誰が…」

you『誰も言わないです、周りは優しい人ばかりで、だから尚更自分でそう思うんです』

SC「やー…自分を厳しくしたいならしな、俺がAを甘やかすから」

両手で顔を包んでこちらを向かせる
ティッシュを取ってトントンと涙を拭う
多分明日腫れているだろうが仕方ない

俺の背中に腕を回しくっついてくるから俺も抱きしめて背中を擦る

you『オッパの匂い好き、安心します』

SC「そうか」

you『皆優しいのに上手く出来ないのは私に問題がありますか？』

SC「どーゆ事だ？」

you『ん…わかりません、重荷って事だけ』

SC「誰がそんな事を思う！？誰も思ってないのにお前がそれを思うって言うなら本当は俺達が重荷って事だろ？」

you『違っ』

SC「１人で考えるな、なんのために皆一緒に生活してるんだ」

you『でも大人になるって１人で考える事が増えてくって事なんじゃ』

SC「じゃあ子供でいろ」

you『好きな人がいるんです、子供のままでも付き合えますか？』

どうせジョンハンかジョングクだろう。
どちらも認めたくない
無言が続く、どう返していいのか解らない

Aが好きな相手が俺なら…変な考えに頭を振る