214.未来予想図 ページ24
.
.
突然真っ暗になった視界、聴覚は雷の大きな音で敏感になって泣きそう。
無理…って震える手で自分を支えていれば、ドンドンと脱衣所の扉がノックされた。
.
.
潤「A？大丈夫？まだ風呂入ってる？」
「じゅ、潤くん！」
潤「着替えてる？入っても平気？」
「だいじょうぶ」
.
私の返事を聞いてすぐにガラガラと開けられる扉。その扉が開けられれば
パッ！と眩しいチカチカとした灯りが私の顔を照らした。
.
.
潤「……だいじょうぶじゃねーじゃん」
「潤くん〜〜〜」
潤「やっぱ泣いてるし。よしよし、もう平気だから」
「なんで暗くなってるの〜〜〜」
潤「停電みたい。スマホ充電100%にしといて良かった」
「雷怖い…」
潤「知ってる。何年一緒にいると思ってんの。ダテじゃねえぞ？」
.
潤くんはスマホの灯りを頼りに、私に近づいてきて。潤くんの存在を確認した瞬間、安堵の感情が襲ってきて
その安堵がポロポロと涙になって、うわーんと子供みたいに泣いてしまう。潤くんの前なら泣ける。
多分、ナリくんの前じゃ泣けない。
.
容赦なく鳴り響く雷にもう無理と言えば、しゃがみこんでいる私に合わせて潤くんがしゃがみこんで
ふわり、と抱きしめて。よしよしと背中をさすってくれる。
やっぱり安心する。潤くんの匂い。昔から抱きしめてくれる。まるで子供をあやすようなそんなやさしさで。
.
.
潤「とにかく、風呂上りでここにいると風邪引くから戻ろ」
「うん…」
潤「怖いなら耳塞いどけ、連れてくから」
.
潤くんに言われるがまま両手で耳を塞いで滲む涙をどうにか引っ込ませて
潤くんに促されるまま立ち上がれば、私の手首を潤くんが掴んだ。
それからゆっくりと歩き出す。
.
.
足元がおぼつく。その度にぎゅっと手首を掴んで誘導してくれる。
歩く途中、潤くんは笑った。
.
.
潤「ほっせーな、手首」
「細くない」
潤「将来はペンシルにでもなる気？」
.
.
耳を塞いでる私にも聞こえるように大声でそう言った潤くんはクハハって笑った。
それで少し和んだとき。
.
「きゃっ」
潤「…っぶね」
.
.
今日一番の雷が鳴り響いた。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
