201.彼女という存在…side S ページ11
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この想いは、どこに行けば風化するのだろうと
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＊「櫻井先生ー！おはよー！」
翔「はい、おはよう」
＊「今日もかっこいい！」
○「付き合お！彼女にして！」
翔「何言ってんだよ(笑)」
＊「彼女いんのー！？」
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“彼女”
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ーーー…彩音『櫻井、先生』
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あの子は、俺のなんなんだろう？
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＊「あ、黙り込んだー！彼女いるんだ？」
翔「え？(笑) いないいない」
＊「うっそだぁ」
○「じゃあ好きな人は？」
翔「好きな人？」
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パッと思い浮かんだ顔。その顔に驚いて、思わず心の中で頭を振る。
違う。嘘だろ？信じない。
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智「こーらー、さくらいせんせーをいじめんな？」
＊「あ、大ちゃんー」
智「大ちゃんじゃねえっつうの。先生。わかる？リピートアフターミー。」
○「大ちゃん(笑)」
智「おーまーえー。さっさと教室入れ！チャイム鳴るぞ！」
＊「わかった！わかった！(笑) じゃね、さくらいせんせー！」
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保健室の前の廊下。いつの間にか隣に立っていた爽やかな白衣を背負ってる智がウルセェ女子生徒たちを追い払って
ふぅ、と肩の力を抜くと智がクフって笑った。
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翔「…ぁんだよ」
智「いーやー？分かりやすいなぁって」
翔「なんだよ」
智「そんな翔ちゃんにイイコト教えたげる。」
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智「今ね、奥村彩音、保健室で寝てるよ」
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ぴく、と肩が震えたのがわかった。
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まだ朝のSHRが始まる前。春日と朝、登校してたはずだけど具合悪くなったのか？
奥村彩音が具合が悪くなるなんて滅多にない。学校を休んだのは確か1学期の頭ぐらいに1回。
アイツはいつも元気なはず。
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智が、愉快そうに笑って俺を見据える。
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智「そんなに心配なら、空いてる時間に来てやれば？」
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キーンコーンカーンコーン、とSHRが始まるチャイムが鳴った。
挑むような笑みを讃えた智が、白衣を翻したピシャン…と保健室の扉を閉めた音がして
俺はイライラを募らせて、教室に出向く。
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そのイライラがなんなのかよくわかんなかったけど
教室に入れば、確かにアイツの姿はなかった。
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