ハロー・セイ・ハロー Part6【K.N】 (ページ26)

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160.夏にギター…side Jun ページ26

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二人の関係は夏休みを跨いだ。

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和也『ギター？』

梨香子『そう。ギター。カッコよくない？ギター弾ける男子』

和也『ふうん…。』

梨香子『あ。私のために弾こうとしてる？嬉しー』

和也『うっせーよ(笑)』

梨香子『ヘッドホン、使ってくれてるんだね』

和也『そりゃあ……、まあ？』

梨香子『くはは！素直じゃないなー！』

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夏休みに会ったのは一回きり。お盆休みの日。

二宮が木口梨香子の家に出向いて、冷えたクーラーの下で

初めてキスをした日だった。

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菜月『はっ…！？』

和也『お前と雅紀にしか言ってねーから、他には言うなよ』

菜月『はっ！？ちょっ、和くん待ってよ』

和也『なに』

菜月『梨香子先生と付き合ってるってこと…！？』

和也『だから何回もそー言ってんだろ。頭いいのに理解力はないのな』

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夏休みが明けた、9月。

木口梨香子とギターの話をして数週間。二宮は夏休みの間、勉強のノルマを達成させて

受験勉強には差支えがないように、ギターを始めた。

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軽音部にちょくちょく顔を出すようになって、彼のギターの成長ぶりは見事なものだった。

話すように歌う、歌唱力とギターで何回か体育館で歌ったりもした。

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そんな二宮はある日の放課後、ギターの弦を調節しながら中1からの信頼できるクラスメイトの澤野菜月に木口梨香子との関係を話した。

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菜月『ねえ待ってよ、じゃあギターを始めたのも梨香子先生の影響ってこと？』

和也『まあそうなんじゃね』

菜月『わたし和くんのギター弾く姿好きだったのに……』

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澤野菜月の恋心に、二宮はどうやら気づいていたらしい。

木口梨香子と付き合ってることを言うことで、彼女の思いに終止符を打たせようとしたのかもしれない。

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でも二宮が思ってる以上に、澤野菜月は強かった。

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菜月『……絶対秘密にする。』

和也『ん』

菜月『和くん、これからも仲良くしてね』

和也『当たり前だろ』

菜月『スピッツ歌ってよ！スピッツ！』

和也『あ？はいはい(笑)』

菜月『空も飛べるはず～ってやつね！』

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澤野菜月は、本気で二宮を応援しようと

心に決めた。

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