ハロー・セイ・ハロー Part6【K.N】 (ページ24)

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158.昔話をしようか…side Jun ページ24

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二宮和也が中学3年の春。

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木口梨香子は、彼の前に現れた。

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梨香子『初めまして！今日からこのクラスの担任になりました、木口梨香子と言います。担当教科は数学です』

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ーーー…俺も、人から聞いた話だから二宮がどんな気持ちで、どんなことを考えていたかは分からない。

二宮の中学の先生や、同じ中学の奴らからちょっと聞いたから。

それでもいいよな？

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梨香子『テスト返しまーす！赤井くん』

赤井『うげー。やべ、かーちゃんに怒られるわ！(笑)』

梨香子『はい名簿順にどんどん来てー。石田くーん』

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梨香子『二宮くーん』

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和也『……げ…』

梨香子『……』

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Aも分かるように、二宮は理系がどうも中学の頃からダメだったらしく

数学なんか最低点数。木口梨香子はそれを気に留めてたらしい。

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梨香子『…数学、苦手？』

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ある日の個人面談。夕暮れの教室の真ん中に、二人きり。

木口梨香子と二宮は、少し重苦しい空気をまとってそんなことを話していた。

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和也『別に。』

梨香子『別に、って点数じゃないでしょうコレは…。二宮くん』

和也『なんすか』

梨香子『このままじゃ志望校に合格出来ないよ。数学は絶対必須科目なんだからさ』

和也『……』

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なんでこの子は文系は異次元のように出来るのに、理系はダメなんだろう。

そんな疑問を抱きながら、ただ黙りとしてしまった二宮を見て、彼女は困り果てた。

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授業態度は悪くない。たまに寝てるけど、それは許容範囲だ。

成績だってそこまで悪くない。理系以外は。でも必須科目の数学はこのままじゃ致命的だ。

いつもブツクサしてて、友達とのテンションも無理に合わせない。今だってただ俯いて面倒くさそうにしてる。

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悪い子じゃないんだけれど。

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梨香子『うーん…。でもさ？志望校には合格したいよね？』

和也『…まあ』

梨香子『じゃあさ、毎週金曜日。二宮くん帰宅部だよね？放課後に数学教える！』

和也『は？』

梨香子『金曜日なら私も比較的空いてるしそれに』

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梨香子『わたし、あなたの担任だもの！』

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