85.Lonely, Lonely. ページ4
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「ちょっと休もう……」
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体育館脇の部屋にダンボールを置くと、壁に背中をもたれて、そのままズルズル…と腰を下ろす。
ぺたん、と床に座り込んで。上を見上げると、高いいつもは見ない天井が見えた。
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(……変なの。)
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今日はどうやら部活はどこもやっていないらしくて。一斉休止期間とか、そういうやつなのかなって熱い頭でぼんやり考えた。
いつもはザワザワしてる校内。なのに今は気味が悪いぐらい静まり返っている校内。
グラウンドにも誰もいなくて、吹奏楽部の音も野球部の大合唱も聞こえない。
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なんか変なの。
まるで、宇宙にひとりぼっち。
置いて行かれた、気分になるのはなんでだろう。
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「……なんちゃって」
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ぼそり、と呟いたその言葉は宙を舞って行き場もないままシャボン玉のように割れる。
私は割れたことを確認して、「よし！やろう！」って立ち上がる。
…すると、隣の体育館からキュッキュッと靴が擦れる音がする。
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「……先生？」
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今は生徒は誰もいないはずだ。
なら、先生しかいないに決まっている。体育教師とかが何かしてるのかな？なんて思いながら
興味本位で、体育館の方へ向かって出入り口に立つと。
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私がそこに立ったのと同時に
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「……！」
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ボスンッと音がして、トントントン…。とバスケットボールが床に落ちて跳ねる音が響く。
バスケットボールのゴールの網は少しぶらぶら揺れていて、誰かがシュートを決めたことを物語る。
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そのシュートを決めた人は、私には気づかない様子で小さく跳ねているバスケットボールを手にして
何回かドリブルすると、今度は振り返って私が立っている方のゴールへシュートを決めようと
ダンダン、とバスケットボールを跳ねさせながらこちらを向いた。
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その瞬間、時が止まった。
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多分、心臓の息の根も止まった。
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トントントン…。とドリブルをするのを忘れられたバスケットボールは床に落ちて小さく跳ねる。
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和也「ーーー…委員長？」
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久しぶりに響いたその優しい音に
何故だか胸がきゅうと締められた。
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