100.理由なんてないよ ページ19
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和也「まーね。二対一だしさ？俺が負けるなーって思って」
「……」
和也「取りあえず、梨香子を端に逃げさせて。どうしよっかなって思ってたら襲いかかってくるわけ」
「……う…ん」
和也「あ、殴られるーって思って目を瞑ったとき。」
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ゴッって音はしたけど、顔に衝撃は受けなかった。
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和也『……は？』
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ビックリして、目を開けると。目の前には俺を庇って殴られてる
松本がいた。
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和也『…なにしてんだよ、あんた』
潤『それこっちのセリフな。なに問題児が問題起こそうとしてんの』
和也『これは…』
潤『あー……、そういうこと』
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松本は、口に血を滲ませて俺の背後にいた梨香子を見据えると
なにもかも分かったような顔をして、笑う。そーしたら、後ろから近くの工事現場から棒みてぇなやつあるじゃん。あれ。
あれ持ってきて、『おい！』って俺が声をかけた時には松本の左腕をその変態ヤローが棒でぶん殴ってて。
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ボキッて音がして、松本の骨が、多分折れた。
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潤『いってぇ…。今聞いた？骨折れる時ホントにボキッって言うのな』
和也『おま…っ、今それ言ってる場合じゃ…。なんで殴り返さねえんだよ！』
潤『俺が教師だから』
和也『は……？』
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潤『お前は俺の生徒だから守る義務があるし、あっちのバカ達はバカでも学生服着てるだろ。子供に手を出すなんて以ての外』
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松本はそう笑って、容赦なく襲いかかってくる変態ヤローたちをどうにかして止めようと乱闘と言える乱闘を始めて。
使えない左腕はほっといて、右手で思い切り振りかざしてくる棒を掴んでギリギリ……。と踏ん張る。
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そーすると、もう一人が棒を松本の背後から殴ろうとして。
……『お前に乱暴させるわけにはいかねぇじゃん』って言った松本の言葉なんか忘れて。
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和也『……っ…ざけんな』
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そいつに襲い掛かって。『バカ！』ってどっからか松本の声がしたけと、んなのは知らんぷり。
どうにかしたくて俺は本気の喧嘩ってのをした。
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まあ…、そうしたら騒ぎを駆けつけた警察が来るわけで。捕まって、学校に連絡されて。
停学、ってなったわけ。
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