あの虹のように2 (ページ8)

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あの日ページ8

ASide

倒れこんだうちらに濱ちゃんはこう言った

崇「お前らなんのためにこんな事してるんや」

A「そんなんっ、

濱ちゃんに関係ないやろっ！！」

崇「関係大アリやろうが！！」

歯向ったうちに濱ちゃんは掴みかかってきた

そして言った

崇「…お前は、俺の大事な妹やろ」

大事な妹ー

父親の顔も知らず母親に預けられたうちにとって

その言葉は心にがーんと響いて離れんかった

崇「ええか、お前ら」

うちだけじゃない、

そこにいた全員に濱ちゃんはこう言った

崇「お前らは誰かにとって大事な存在や！

俺にとってのA

俺にとっての照史

おんなじようにみんな誰かの大事な存在や

でも勝手に自分は孤独やなんやって決めつけて

お前らは力まかせに認めてほしい思て

こないなことしてきたんちゃうか？！」

間違いなく濱ちゃんが正しかった

みんなそれぞれが孤独を抱えとった

親が離婚した、身寄りがない、いじめにあった、

事情はどうであれみんなひとりやった

認めてほしい、でも認められない

やから力による服従で

自分の存在意義を認めさせようとした

A「…愚かやった」

そう、うちらは愚かやった

そんなうちらに濱ちゃんは続けた

崇「暴力は『力』が『暴』れると書く

お前らは誰かを倒すくらいの力は持ってるけど

それをきちんとコントロールできな

ほんとに強い者とは言われへん

それに力は喧嘩の強い弱いやないんや

Aは勉強ができる、

大吾は走ったら速いしな

それぞれええとこみんな持ってるから

その力をどうか生かしていってほしい

そしたらいつの日か絶対認めてもらえる」

照「…絶対？」

崇「そうや、絶対」

濱ちゃんの目はまっすぐやった

しばらくの沈黙を破ったんは大ちゃんやった

西「…なぁ、お前ら！

今日をもって彩光会は解散や！！」

文「紫紺会もおんなじや！！

全員でまともな世界に踏み出さなあかん！」

2人の言葉にその場にいた全員が納得した

その日から街からヤンキー集団は消えていった

ーあれから既に5年が経とうとしていた

誰かが、濱ちゃんを狙った…？

いったい誰が狙ったんや…