大事な事は ページ17
大吾Side
崇「何を言うてるんや!!!」
濱田くんがズカズカと歩いて来て
俺の顔を掴んでまっすぐ目を合わせてこう言った
崇「大事に思われてへん人なんて
おるわけないやろ!!!」
大「そんな事ありません…!
俺は独りで…」
崇「ー独りやないって言っとるやろう?!」
語気を強めて濱田くんは言ってから
静かに言い始めた
崇「ええか?大吾
ここにいるみんなお前を心配しとる
お前が変な方へ走ってしまわへんか
お前が辛い思いをせえへんか
お前が人生を棒に振ってしまわへんか
みんな心配してここへ駆けつけてくれた
お前の新しくできた仲間たちも
ほんとは心配してたはずやで?」
周りを見渡すと
みんながうんうんと頷いてくれていた
崇「1番心配してたのはAや」
大「え…?」
崇「こいつが今着とる学ラン
これAは綺麗に手入れしてしまってあった
それからそのポケットには
解散したあの日にふたりで撮った写真が入ってる」
嘘やろ…?
そんな、大事にしてくれてたん…?
崇「やから、お前の事を
大事に思ってへんわけがない」
大「そんな…」
すると俺を掴んでいたはずのAの腕が緩んで
気づくと俺はAに抱きしめられていた
A「孤児院が潰されてしまう事
言っとけばよかったんやろうけど
言う暇なかったんや… ごめん大ちゃん…」
独りにさしてしまってごめん、って
Aは泣きながら謝ってくれた
そして周りもみんなごめん、って
みんなは悪くないのに言ってくれた
大「俺こそごめん…
こんなするなんて俺、贅沢やったわ…っ」
俺らはしばらく抱きしめあったまま
泣いとった
文「ほらほらふたりとも、
大吾の出血もひどそうやし一旦濱田の家帰ろか?」
照「みんなBAR WESTに来てくれはったら
ええんやない?
仲直りに楽しんでったらええやん」
その一言でその場にいた全員が
ケガ人を抱えたりしながら向かうことになった
ひとりで立とうとするとAが支えてくれた
A「無理したらあかん
『ひとり』が大変な時は誰かに頼ること
ええな?」
大「…はいっ」
久しぶりのAとの会話は
もう5年前となんら変わらなかった
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作者名:ゆいはん | 作成日時:2017年8月26日 16時