検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:45,510 hit

大事な事は ページ17

大吾Side



崇「何を言うてるんや!!!」



濱田くんがズカズカと歩いて来て



俺の顔を掴んでまっすぐ目を合わせてこう言った



崇「大事に思われてへん人なんて



おるわけないやろ!!!」



大「そんな事ありません…!



俺は独りで…」



崇「ー独りやないって言っとるやろう?!」



語気を強めて濱田くんは言ってから



静かに言い始めた



崇「ええか?大吾



ここにいるみんなお前を心配しとる



お前が変な方へ走ってしまわへんか



お前が辛い思いをせえへんか



お前が人生を棒に振ってしまわへんか



みんな心配してここへ駆けつけてくれた



お前の新しくできた仲間たちも



ほんとは心配してたはずやで?」



周りを見渡すと



みんながうんうんと頷いてくれていた



崇「1番心配してたのはAや」



大「え…?」



崇「こいつが今着とる学ラン



これAは綺麗に手入れしてしまってあった



それからそのポケットには



解散したあの日にふたりで撮った写真が入ってる」



嘘やろ…?



そんな、大事にしてくれてたん…?



崇「やから、お前の事を



大事に思ってへんわけがない」



大「そんな…」



すると俺を掴んでいたはずのAの腕が緩んで



気づくと俺はAに抱きしめられていた



A「孤児院が潰されてしまう事



言っとけばよかったんやろうけど



言う暇なかったんや… ごめん大ちゃん…」



独りにさしてしまってごめん、って



Aは泣きながら謝ってくれた



そして周りもみんなごめん、って



みんなは悪くないのに言ってくれた



大「俺こそごめん…



こんなするなんて俺、贅沢やったわ…っ」



俺らはしばらく抱きしめあったまま



泣いとった









文「ほらほらふたりとも、



大吾の出血もひどそうやし一旦濱田の家帰ろか?」



照「みんなBAR WESTに来てくれはったら



ええんやない?



仲直りに楽しんでったらええやん」



その一言でその場にいた全員が



ケガ人を抱えたりしながら向かうことになった



ひとりで立とうとするとAが支えてくれた



A「無理したらあかん



『ひとり』が大変な時は誰かに頼ること



ええな?」



大「…はいっ」



久しぶりのAとの会話は



もう5年前となんら変わらなかった

人生は素晴らしい→←孤独な5年間



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆいはん | 作成日時:2017年8月26日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。