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新しいお嬢様 ページ5

すばるSide









ヤスの表情が一瞬歪んだ








子供の時からの仲やなのにそれが崩れてしまう









この関係を壊さないと言うことはもう暗黙のうちに









みんながわかっていたことやった








それでもヤスは言った









章「渋やん、









また腹の内が決まったら教えてな、!」









それだけ、たった一言、









なぜ彼は、









それ以上言わんかったんやろうか









別に俺も構って欲しいわけちゃうくて









引き止めて欲しいとかそんないたずら心やなくて









真剣に、とっても真剣に話したつもりやったけど









なんだか複雑になった









ヤスの心に何か背負わせてしまったような









そんな気持ちになった



















斗「すばるくん」









渋「なんや、」









斗「この子の面倒を見てもらいたい」









ヤスと話をしてからしばらくして








俺は社長の部屋に呼ばれてある写真を見せられた









まだ小さい女の子









渋「ガキはしんどいって」









斗「違う、今この子はもう19歳になる」









そこに写ってたのはかつてのAやった









どこかで見たという既視感









それでも俺らにはすぐそれがわかれへんかった









Aの引き取りにはヨコが行った









俺はその間Aの引き取り準備に追われた









章「渋やん、」








Aの新しいドレスを選ぶ日に








ヤスは言った









章「なんでA様の面倒見ようと思ったん?」









渋「ん〜…」









たしかに、誉真様で最後やと思ってた執事の仕事









気づけば俺は









もう次のお嬢様のお世話の準備を始めてる









信「そらもう職業病やもんなぁ!笑」









そこにヒナがそう笑いながら入ってきた









ヒナは、なんも知らん









ヤスの言った言葉の意味を









ヒナはひとつもわかってへんかったように思う









渋「そうやな、」









そっか、やっぱ俺は抜け出せへん、









一生、このお屋敷から、









今度もほぼ強制的に結婚させられる








かわいそうなお嬢様を









嫁入りまで面倒見なあかん









渋「俺らって夢見たらあかんのかな」ボソッ









思わずそんな一言が口から出た

籠の中の鳥→←渋やん



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作者名:ゆいはん | 作成日時:2018年7月7日 20時

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