23話 ページ24
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教室へかえるため
渡り廊下を歩くとふと気付く
手すりにもたれタバコをふかす1人の紳士
私が近づくとすぐに気付き
タバコを携帯灰皿へとしまう
『・・・理事長』
理事長、もといキヨの父親だと言うこの紳士は
誰もいないのをいい事に喫煙所でもないこんな所でタバコを吸っていた
「あ、今の内緒ね」
『・・・・・』
しぃっと指を唇に当てる仕草をするこの男は
年齢よりぐっと若く見え
普段はどこにでもいるような優しいおじさんと言った感じ
事の真相を聞いてしまった今の私には
前のようにこの人を見ることはできない
まじまじと顔を見るとどことなくキヨにも面影があるような、
長時間見ていたのを不思議に思ったのか
首を傾げ「なに？」と聞いてきた
『な、なんでもないです！
それより理事長はこんなとこで何を・・・？』
「ん？風が気持ちよくってさ！
Aちゃんもサボり？」
『違います』
キッパリと否定してジロリと顔を見上げると
優しげな笑顔が降ってくる
「欲しい物は見つかったかな〜？」
『次のテストの答案、とかですかね？』
「あはは、それは無理なお願いだなぁ、」
『じゃ、オール5の通知表、とか？』
「ふふふ」
くだらない話をしながら一緒になって手すりにもたれる
あ、
ほんとだ
頬を抜ける風が気持ちいい
「そっかー、Aちゃんはいい成績が欲しいのか」
『・・・？』
「テストでいい点数が取りたい、とか
美味しいものが食べたい、とか
新しいコスメが欲しい、とか
女の子だったら可愛く見られたい、とか
そう言うの、人として大切な事だと僕は思うな」
『・・・私は人として欠けてる、と？』
クスリと笑いこちらを見るその笑顔はどこか悲しげで
理事長が私に何を求めているのか分からない
ポンポンと頭を撫でるその手は大きくて暖かい
「いつかその穴を埋めてくれる人に出会うと良いね」
『・・・・・』
「・・・もしかしてもう出会っちゃった？」
『・・・秘密ですっ』
1番に頭に浮かんだのはやっぱりキヨで
悔しいけれどキヨに惹かれてる
そう思わずにいられなかった
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しおみ(プロフ) - あっとろさん» コメントありがとうございます！更新遅めですが頑張って行きたいと思います！ (2017年12月15日 15時) (
レス) id: 1b48ac35b1 (このIDを非表示/違反報告)
あっとろ - おもしろい！更新頑張ってください！ (2017年12月10日 0時) (レス) id: 61fa521ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおみ | 作成日時：2017年12月7日 0時
