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｢全国が、復帰後初めての試合だったんだ。まあ、負けてしまったんだけど……でも、またテニスができるんだって嬉しかったよ。｣
｢……｣
｢……その後ね。俺たちは、U-17っていう合宿に参加することになって。すごいだろう？高校生の中に混じって、一緒に練習していたんだよ。｣
｢黒帽子たちも一緒に？｣
｢ああ。みんな一緒に参加することができてね。俺とか真田とか……そうそう、赤也なんかも合宿中に海外に行ったりとかしてるんだよ。｣
｢え！？あの英語底辺のバカ切原が！？｣
｢すごい言いようだね……でも、言葉とかそういう問題じゃなくて、俺たちはテニスの才能を買われていったんだよ。｣
そこまで言われて、ようやく現実味が帯びてきた気がした。
……そんなにすごかったんだ。海外へ、ほいほい行けてしまうほど。
｢でも、｣
声が、澱んだ。さっきよりも沈んだ声で、彼は俯きながらまた話を続けた。
｢俺は最後まで、あの場所に立つことは出来なかった。……みんなと一緒に、強くなることはできなかったんだ。｣
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年6月13日 18時
