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「あ……っ、あんた、何して……っ!」
驚きすぎて裏返った声に、手をおさえる。
自分でも、頬が熱くなるのが分かった。今私は相当変な顔をしているんだろう。それに反してすっごい落ち着いた、真剣な表情のジュダルを見ていると無性に腹が立ってくる。
だって、ありえないじゃない? これから普通に話せないじゃん。
__………今更だけど、あたしはこいつが純粋に好きだ。前の彼氏と別れた理由は、こいつを好きになったから。
そんな人にキスされて、照れない人はいない。これから普通に話せる人は多分いない。
でも……こんなやつを好きになったってことを認めたくないから、適当に笑って誤魔化していたんだ。
「ぷっ、間抜けた面してやがる」
考えを巡らせているとジュダルは突然、笑顔になった。馬鹿にしたような、優しそうな……よく分からない笑顔。
「うっさい、このタラシ野郎」
「タラシじゃねーし。こういうことすんの、お前だけだから」
……とても、寂しげな表情。あたしはそれを、柄にもなくキレイだと思った。本当に、キレイだったんだから……。
「ハロウィンの日にキスって、ロマンチックなのか違うのか分かんないね」
「知るか。別に普通だろ」
「ていうかさ、なんでキスしたの?」
「したかったから」
「……意味分かんない。最低」
「言っとけ」
本当にあんたは……。そう言うとジュダルは、意地悪な笑みを浮かべた。なんでこんなヤツ好きになったかなあ……。
そのせいで、いつも傷付いちゃうんだ。平気で女子触るし。タラシだし。
……寂しいなあ…………。
「……うそ」
突然間を置いて呟いたジュダルを凝視すると、一瞬でジュダルの顔は見えなくなり、代わりにあたしの背中を、冷たい腕が包んだ。目の前はジュダルの胸板。…………抱きしめられてるんだ。
「好きだからキスした。そんだけ」
20cmの身長差があって、ジュダルの中にあたしはすっぽり収まっているから顔は見えない。
ああ……どれだけこの二文字を望んでたんだろう。
「う……っ、ばかあ……」
ジュダルの大きな背中に腕を回して力を込めると、いてーよ。なんて言いながら優しく背中をさすってくれた。
それだけで……涙は止まらない。
「……もっかいキスしていい?」
「だいすき……っ」
答えになっていない答えを言うと、力を緩めてどちらともなくキスをした。
それは……お菓子より、甘い甘いキスだった……___。
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あゆみ - 頑張ってくださいね(((o(*゚▽゚*)o)))応援させていただきます! (2015年9月6日 11時) (レス) id: f5ed3cf1fa (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - もちろん待ってまーす!ガンバレー (2014年11月29日 11時) (レス) id: 0a7264409d (このIDを非表示/違反報告)
もっひ(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます!はい、やっぱり屋上です笑 ありふれてるけど好きで……更新不定期ですが、待って下さると嬉しいです! (2014年11月19日 18時) (レス) id: 3cf313ae34 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 面白いです。しかも学校編なのでドキドキ...やっぱり屋上だよね!応援してます (2014年11月18日 16時) (レス) id: 0a7264409d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もっひ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/judarun917
作成日時:2014年11月1日 0時