第5話 カナメ ページ6
*
波の音と団員達の楽しげな声が聞こえる。
かくいうウチは
ガサガサ……………ガサッ!
「うん、これ良さそう」
木にぶら下がっていた。
手には赤い実のついた植物が。
ここは、海岸からそんなに離れていない所にある 森の中。
と言っても樹木達は太陽の光を隠すくらいに生い茂っており、そのおかげで 日光が苦手なウチも気にせず活動が出来ている。
それでも多少は差し込む日光は、
補佐サマから貰ったフード付きのローブと科学者サマから貰った日焼け止めで ばっちり対策した。
……ちゃんと貰った服だよ。
無断で着てないからね。
そこへ
「カナメー?」
下から声。あの黒い頭は、シキだ。
使用人サマも一緒だ。
そういえば、何か買うって言ってたっけ。
シキはウチを探しているのか、キョロキョロと辺りを見渡している。
「なーなー、ここじゃないんじゃ
「上だよ」 !!ッおんわぁあ!!!」
使用人サマ、めっちゃビビってる。
あ、尻もちついた。
「え……?わっ!なんでそんなとこでぶら下がってんの!?」
シキはあんまり驚いてない。意外かも。
「良いの見つけたから」
「……ほんと、日差しが無いと元気だよなー」
「照れる」
「照れるの!?」
「冗談」
「………」
「………」
「………」
使用人サマも呆れた目で見上げてるなー。
「………で、どうしたの?」
ウチを探してたけど。
「あ、そうだった!だんちょーとローザさんが
『 遅くならない内に帰ってきなさい 』だってさ!」
カナメ、朝早く出てったから知らないでしょ?
「んー………善処する」
この森は広い。しかも、観察したい子(植物)達がたくさんいて1週間で採取しきれるかどうか
んー微妙だ。
早く帰れるかな……。
とりあえず
時間が無いなら、急がねば。
ウエストポーチに先程の赤い実の子を仕舞い、体を木から離す。
ヒラリと苦もなく地に着地する。
目線はもう森の奥を見据えていた。
そんなウチを、小さな相棒が呆れた視線を送ってくるがウチは気にしない。
さて
「奥、進も」
「シキ、あれ大丈夫なのか?」
「……(これ 後でローザさん達に怒られるやつだ)」
何かを悟ったシキだった。
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新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 終わりました (2019年9月5日 19時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 誰もしないので編集します (2019年9月5日 19時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 終わりました (2019年5月14日 19時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 最新します (2019年5月14日 16時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 訂正終わりました (2019年4月9日 22時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
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