【小説】箱舟の軌跡 (ページ4)

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第3話フォビアページ4

「青い空、青い海、白い砂浜、白い雲。そして半裸のイケメン……海水浴場ッテ最高ダワ」

　シアン号が着陸したのは、モルサー共和国沿岸部付近の町。アタシの自室の窓からはちょうど、海水浴場が見えるのだけれど……。

「モウムリ。こうして遠目に見るダケデモ興奮するノニ、本物が目の前にいたラ！アタシ幸せすぎて死ぬカモ！」

　反則、反則よ！何？あの大量のイケメン！おねーさん嬉しみで爆発しちゃう！程よく鍛え上げられた筋肉が、一人、二人、三人……数え切れないくらい……！

「ウフ、ウフフフ」

　ニヤニヤが止まらない！流石はモルサー共和国ね！いろんな種族のイケメンがたっくさん！人間、ブライトエルフ、ダークエルフ、獣人……素敵だわ！

　うん、こうしちゃいられないわ！クローゼットを乱暴にこじ開ける。探って、洋服を取り出した。夏場にちょうど良い、涼しげで清楚な、白のお洋服！急いで着換える。お揃いの白い日除け帽をかぶる。

「待っててネ、イケメン達ーっ！」

　扉を勢い良く開けて、飛び出す。通行人の何人かは、手に何か入った鞄を持っている。もしかすると、この中の誰かも、海水浴場に行くのかしら？

　けれど、まあ良いわ！そんな事よりも、イケメンを観賞しに行かなきゃ！トロピカルジュースを片手に、イケメンの顔とか筋肉とか声とか、そういうのを見聞きして癒されたい！