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百三二の感情 ページ17

-星埜谷 視点-







無我夢中に走れば、

血の匂いする扉の前へと着いた





その扉は少し開いていて…

そこから部屋の中の様子を覗けば、



部屋の奥には、しのぶの姿と、

鬼であろう者の姿があった






その二つの姿を確認した瞬間、









「お前はっ…、私の大切な友人まで奪うのか…!!!!!」









そのしのぶの今まで聞いたことの無い怒声が

部屋へと響き渡った






そして、しのぶは技を切り出そうとする


それはしのぶだけではなく、鬼もそう







私は急いで部屋の中へと入り、

しのぶの隊服の襟を掴んで、私の方へと引き寄せる





間一髪で避けきれた鬼の攻撃は、

しのぶの髪をかすった









「わあ、間一髪で助けるなんてすごいねえ」









目の前にいる鬼は、

扇で口元を隠しながらそう言った



鬼がそう言ったあと、


引っ張られた衝動で、

床に尻もちをついていた しのぶは、

ゆっくりと私の方へと振り向いた









「…星埜…谷、さん…ッ」









そうかすれる声で私の名前を呼ぶしのぶ




しのぶの顔を見れば、

私でもわかるくらいに強ばっていて…





でも、

その強ばった顔は、私の名前を呼んだ後、

ゆっくりと解れていく気がした









「星埜谷さん…、って、君がもしかして猗窩座殿が言っていたAちゃん?」









そう鬼に名を呼ばれて、

眉間に皺を寄せてしまう



そんな私とは裏腹に、

鬼は、ぱぁあっと笑みを見せる









「わあ!そうだよね!その灰色の髪に、赤の髪飾り!君がAちゃんかあ」








可愛いねえ、と言われ、

背筋が凍った(←"可愛い"と言われ慣れていないのもある)








「私の名を気安く呼ぶな…」


「ふふ…、怒っているみたいだけど、それでも無表情なんだ。面白い子だ」







鬼がそう言うなり、

しのぶは立ち上がって、私の隣に立ち、

刀を構える



私はそれに合わせて柄を掴んだ








「…星埜谷さん、さっきはありがとうございます…。でも、これ以上の助けはいりません」








そう言うしのぶの声は、

何かを決心したような…、


そんな感じだった





そして思う、









「(もしかしてしのぶは____)」







もしそうなら、

私はしのぶを怒らせてしまうかもしれない





.

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いちご飴 - とっても面白いお話ですね!更新がんばってください!応援してます! (2020年6月5日 1時) (レス) id: 277b9199de (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くていっきにすべて読んでしまいました! 更新頑張ってください!! 楽しみにしています! (2020年5月20日 20時) (レス) id: bdd41f57a7 (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 久しぶりの更新とても嬉しいです!!! 今か今かと心待ちにしておりました!! これからもずっと応援させて頂きます!! (2020年4月17日 18時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
雪もち - とても面白く拝見させて頂きました!更新楽しみにしています! (2020年3月31日 13時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
かかす(プロフ) - それぞれのキャラの性格がしっかり掴めていてすごいと思いました!応援してます (2020年3月24日 23時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牡丹 | 作成日時:2020年3月4日 10時

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