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百三一の感情 ページ16

.








鬼の口から星埜谷さんの名が出、

私は思わず、足を止めてしまった








「皨の呼吸を使う子らしいんだけどねえ、俺その子にすごく興味あるんだあ」







そう言って、

また穏やかに笑う鬼



童磨(こいつ)は何を考えてる…








「猗窩座殿っていうね、俺の仲間がすごくその子を気に入ってるみたいなんだぁ。女の子なのに、猗窩座殿と戦えるくらいに強かったとか?」








俺もその子に会ってみたいなあ、

、と鬼は言った



悉く、この鬼が放つ言葉が気に食わない









「…星埜谷さんに何するつもりですか」



「え?何する…、って、」








私の問いに、

鬼は顎に手を添えて何かを考え出した









「うーん…、強いみたいだしなあ。鬼にしようかなあ、戦おうかなあ、それとも…」









鬼、童磨は、

シャンっともう一つの扇を開き、









「喰べちゃおうかなあ…?」






「っ"……!!!」








ふつふつ、とまた私の怒りが込み上げてくる


その怒りはきっと、

最頂点に達しただろう…




私は刀の柄をグッと強く握る









「お前はっ…、私の大切な友人まで奪うのか…!!!!!」









そう言えば、

鬼は少し驚いた顔をしたあと、


また怪しく笑った









「へぇ、随分と君も気に入ってるみたいなんだねえ。益々気になっちゃうなあ」









鬼がそう言い終わるか終わらないかの瞬間に、

私は技を繰り出す









「蟲の呼吸、蜻蛉ノ舞(せいれいのまい) 複眼六っ…」









否、繰り出そうとした









「うっ……!?」








突然、

グイッと隊服の後ろ襟をを掴まれ、

後ろに引っ張られる







その瞬間、

童磨(アイツ)が切り出しただろう技が、

私の髪をかすり、

斬られた私の少量の髪は、ハラり…と床に落ちた









「(危なかっ…た)」







もし、あの攻撃を受けていたら…、

そう思うと、体が強ばってしまう









「わあ、間一髪で助けるなんてすごいねえ」







そう言う童磨の目には、

私は映っていない…



私の後ろにいる"誰か"を見ていた





私もゆっくりと、

後ろを振り返る



そして、そこに居たのは、









.








.







.








.









「…星埜…谷、さん…ッ」






そう助けてくれた彼女の名を呼べば、

星埜谷さんは私を見て、優しく微笑した





その時の彼女を、

生前の姉と重ねてしまった





.

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いちご飴 - とっても面白いお話ですね!更新がんばってください!応援してます! (2020年6月5日 1時) (レス) id: 277b9199de (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くていっきにすべて読んでしまいました! 更新頑張ってください!! 楽しみにしています! (2020年5月20日 20時) (レス) id: bdd41f57a7 (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 久しぶりの更新とても嬉しいです!!! 今か今かと心待ちにしておりました!! これからもずっと応援させて頂きます!! (2020年4月17日 18時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
雪もち - とても面白く拝見させて頂きました!更新楽しみにしています! (2020年3月31日 13時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
かかす(プロフ) - それぞれのキャラの性格がしっかり掴めていてすごいと思いました!応援してます (2020年3月24日 23時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牡丹 | 作成日時:2020年3月4日 10時

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