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9 藍色 ページ9

A視点

「はぁ、役立たずめ。とっとと消えろ。」

お父さん…

「クスクス、可哀想、ボロボロじゃない。」

お母さん…

「やーい、幽霊!」

友達?いや、他人…

「大丈夫だ。一緒に生きよう。」

…誰?

目が覚めた。

過去の夢を見ていたようだ。

久しぶりの柔らかい寝台、フワフワの布団、
暖かい毛布、枕。

「起きたかァ」

暖かい、声。

『不死川…さん…』

私は、どうやら死ねなかったようだ。

「胡蝶ンとこ行くぞ。見て貰う。」

私は、立ち上がった不死川さんについて行った。
歩き途中説明を受けたが、医者のような人らしい。

前を歩く大きい背中はとても寂しそうで。
目を逸らした。

「あらあら、Aさん、起きましたか?」

「あァ、頼む。」

不死川さんの背中越しに見えた、胡蝶さん。

胡蝶、という苗字の合う、
華奢で可愛らしい女性だった。

「こんにちは、胡蝶しのぶです。
 暗凪 Aさん。よろしくお願いします。」

『えっと…よろしくお願いします。』

「そんなに硬くならなくて大丈夫ですよ!
 では、早速ですがこちらに来てください。」

『…!、はい。』

その声は、まるで鈴を連想させるような
儚いものだった。

人格に名前も声もピッタリ、といったところだ。

「まず、Aさんには
 お風呂に入って頂きます。」

『良いんですか?』

「はい!どうぞ!」

綺麗な翡翠色の浴衣と藍色の帯を貸り、
羽織は(私のじゃないけど)
洗濯してもらうことになった。

窓から7月の空が覗く湯船に浸る。

いつぶりだろう…、入り方もうろ覚えだ。

気持ちいいなんてもんじゃない。
天国だ。

くだらないことを考えながら、
身体中を隅々まで洗う。

1つ、自分で驚いたことがある。
灰色だった髪のことだ。
元通り、漆黒にもどったのだが…
何と、毛先がはっきりと藍色になっていた。

嗚呼、これじゃあまるで、

私の左目とお揃いじゃないか。

この目のせいで気持ち悪がられてきたのに…。

「忌み子」、なんて。

でも、確か伊黒さんもそうだった。
受け入れて欲しい…なぁ…

その後は、身長、体重を計り、
血液検査の為血を採取。

幾つか質問もされた。

目と髪は驚かれたが、褒めくれた。

…胡蝶さん。

ねぇ、?その笑顔は嘘でしょ?

ねえ、?その言葉は嘘なの??

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名無しのダレカ - 覇戮。さん» 言ってる!フツーに言ってる!でも見てて楽しいからなんでもあり! (2020年6月10日 17時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮。 - 名無しのダレカさん» 閲覧感謝です!伊黒さん…難しかったんですけど、彼女に依存してそうなので笑(ネタが…切れたとか言えない) (2020年6月10日 12時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのダレカ - 順位獲得記念の『自害します』で「え?」ってなりました。(ちなみに涙目) (2020年6月9日 21時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮 - 神崎さん» すみません、続編は今日の夜投稿します。宜しくお願いします。 (2020年5月28日 4時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 続編のパスワードって教えてもらうことはできませんか?できれば教えてほしいです! (2020年5月28日 0時) (レス) id: bf878b2d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:覇戮。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hal0-0/  
作成日時:2020年4月24日 20時

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