検索窓
今日:14 hit、昨日:17 hit、合計:46,881 hit

6 勧誘 ページ6

童磨視点

『素敵…』

『とても綺麗…』

その娘は、隣にいる猗窩座殿とも目を合わせると、
ポツリ、と言い放った。

待って…頭が全く追いつかない。

少し経って気付いた。
この娘からは気配も、
空気の振動も全くと言い切れるほど感じられない。
気付かなかった…上弦である俺らが…

文字通り、一瞬呆気に取られていた。

1秒をこんなにまで長く感じた事は
生きてきた中でない。一体何者なんだ。

長い数秒は重い沈黙の渦に飲まれていた。
2mほどの間隔のなかで、視線が絡み合う。
それを破ったのは…

ベグシャッ

肉の潰れる音。
彼女はぐしゃぐしゃになった死体から、
自身の父親であったであろう片腕に着地した。
なんの躊躇もなく踏みつけ、距離を詰めてきた。
鬼の俺でも、、正直戸惑った。

空気が重くて、重くて、口を開けない。

ボロボロの黒い浴衣に淡い翡翠色の帯。
乱雑に伸ばされた髪にそれに隠れたば片目はまるで、

まるで、

とても美しい、幽霊だった。

服装や髪はお世辞にも整っているとはいえない。
けれどその存在の為に、

“素敵”

“とても綺麗”

なんて言葉がある様な気がした。

お互いの間合いに入った頃。

猗窩座殿が拳を放った。

「は?」

大丈夫、それは俺も思ったよ。
彼女は飛び上がり攻撃を避け、攻撃を仕掛けた腕に
見事に着地したからだ。

「…」

言葉、なんて思い浮かばない。
ただただ純粋に凄いと思う。

「…す」

それは、猗窩座殿も同じだったようで。
彼女を静かに下ろし熱い視線を送った。

「素晴らしい‼お前、名は?」

今までほぼ機能していなかった表情筋も、
これには反応を見せ僅かだが動揺の色を滲ませる。

『……A。暗凪(クラナギ)A…
 其方は?』

驚いた。予想の遥か数倍、隙とおり美しい声。
聞き惚れてしまいそう。

「猗窩座だ。俺らは鬼。人を喰う。」

聞き慣れたその声で我にかえる。

「やぁ!Aちゃん、か!
 俺は童磨。万世極楽教の教祖もやっているんだ!」

「早速だがA鬼にならないか。
 お前は強い。周りとは比にならない
 実力を持っている。どうだ?」

彼女…もといAちゃんは、
困ったように微笑んだ。

『それってどういう…』

「鬼になれば簡単には死なない!
 日輪刀という特殊な刀と日光だけが弱点だ。
 まぁ、例外もあるがな。」

何回目の挑戦だろうね。

「そうだよ!仲間になろうよ!」

『私はー』









「おい、鬼ィ そいつに手をだすなァ」

7 綺麗→←5 少女



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
44人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , , 十二鬼月
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

名無しのダレカ - 覇戮。さん» 言ってる!フツーに言ってる!でも見てて楽しいからなんでもあり! (2020年6月10日 17時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮。 - 名無しのダレカさん» 閲覧感謝です!伊黒さん…難しかったんですけど、彼女に依存してそうなので笑(ネタが…切れたとか言えない) (2020年6月10日 12時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのダレカ - 順位獲得記念の『自害します』で「え?」ってなりました。(ちなみに涙目) (2020年6月9日 21時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮 - 神崎さん» すみません、続編は今日の夜投稿します。宜しくお願いします。 (2020年5月28日 4時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 続編のパスワードって教えてもらうことはできませんか?できれば教えてほしいです! (2020年5月28日 0時) (レス) id: bf878b2d72 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:覇戮。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hal0-0/  
作成日時:2020年4月24日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。