今宵、鮮血ニ染メテ。【鬼滅の刃】

45 選別 ページ49

A視点

只今選別3日目。

何故か全然鬼に合わない。

ずっと洞窟で魚を焼いて食べている。

暇だ…

「おいお前っ！それ寄越せ！」

…は？
何か猪頭を被った…気配人間だ、
人間が立ってこっちを指差している。

『…魚？欲しいの？はい。』

まぁ、1人でも食べきれないしと思い
3匹あげると物凄い勢いで平らげた。

食べ方汚い。

『…名前は？私は狂無 A。』

「おう！Aか！
　俺様は嘴平 伊之助様だ。
　お前といるとなんかホワホワする。
　気に入った！お前を子分にしてやる。」

子分？何言ってんのかさっぱり。

「お前強いか？勝負しろ。」

…この機会に実験台になって頂きましょうか。
いやぁ、でもな…女の方が適してるかも…

「無視すんな！」

『煩い。選別で固まってちゃダメでしょ。』

どうしてこうも煩いのばっかし集まるんだか。
来るなら鬼こいよ鬼。
無惨は勿論、猗窩座と童磨のことも聞きたいし…

魚は置いて逃走することにした。

強そうな鬼、強そうな鬼…
は、みんな私から逃げていく。

まぁ、頭がいいと言っても嘘にはならないんだよね。

しばらくお散歩していると…鬼発見。

手がいっぱい巻きついてる緑色っぽい鬼…
気配が強い、50人くらい食べたかな？

正直行っていきたいがまぁ、お話できるかな？

…あ、お取り込み中でした。
鬼の背中越しに私は様子を確認する。

対戦相手はあの羽織に
あのお面…鱗滝さんのところかな？

戦闘終了後、近づいて後ろに立つ。

「鬼かっ⁈」

その少年が
いきなり振り向いて刃を振るってきた。

…遅い。受け止めながら非力さを実感する。

「すっ、すまない！俺は竈門 炭治郎だ。
　怪我は…無いな？」

炭治郎と名乗る少年は刀を鞘に収めた。

『狂無 A。じゃあさよなら。』

さっきの猪といえ、
どうしてこう煩いのに会うのだろう。

木の上に飛び乗る。

「消えたっ⁈それに血の匂い…やっぱり鬼か？」

鬼より鬼とは言われたことが有るけれども。

こんな遅い動きも見えないようじゃ死ぬよ？
…まぁ、別にどうでもいいんだけどね。

やけに木々が、ざわついて見えた。
それに私はどうしようも無い孤独感を覚えた。

一言で言うなら、

猗窩座、童磨…会いたいよ。

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