今宵、鮮血ニ染メテ。【鬼滅の刃】

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A視点

14歳。待ちに待ったこの日が来た。

…そう、今日は、最終選別当日なのです。

早く扇子が欲しい。

「わかったかァ？絶対死ぬなよ？
　死んだらただじゃァおかねェからなァ？」

いや、どういうことですか。
死んでも尚毎日私を呪うとか？

今の服装は上から黒に藍色の袴。
それと師範の要望で羽織りを交換している。
元々の方が大きかったけど、これもで大きい。

「…返ってこいよ。まァ、つまりは頑張れェ。」

『分かってますよ。有り難う御座います。
　継子の名に掛けても死にません。
　では、行ってきます。』

側にいると行けない気がしたから、
半ば逃げる形で会場へ向かう事となった。
1つ心配なことは、
日輪扇子が無いから霊の呼吸を使えないこと。

『…っと、着いた。』

藤襲山。
小走りで階段を上がっていく。

藤の花が狂い咲いている。

長い長い階段を上り終えると
沢山の人がいた。
…1人くらい殺してもバレないかな？

配無・常中は勿論やっている。

「…A。」

『カナヲ。』

まさか同期になるとは思わなかった。

死ぬと言う選択肢はそもそも
師範から与えられてないから。

「…絶対生き残ろうね。」

『勿論です。』

あ、にちか様と輝利哉様だ。
何回か柱合会議の後で遊んだし、見分けはつく。

説明が1通り終わったようで。

一気に人が雪崩れ込んでいった。

私だけゆっくり入っていく。

さぁさぁ、今目の前で1人の人が死にました。
ほうほう、人間はこんな脆いのか…

「ヒヒ、お前稀血だなぁぁぁあ？」

ほぼ形が人間の鬼がこちら来た。
取り敢えず、例の瓶を差し出して見た。

『ねぇねぇ、見てよ。』

始めこそ威勢が良かったものの、
青い肌をまた一段と青くさせて。

「下弦の…陸ッ！」

振り向いて逃げ出した。まぁ逃さないけどね。

『どうかした？今から貴方には、
　鬼舞辻無惨について答えて貰うね。』

尻餅を付く鬼。

嗚呼、これ知らない奴の反応だ。
声もカサカサしててあんまり好みじゃ無かったし、
もう斬っちゃお。

静かに、
それでいて師範の羽織を汚さないように斬る。
答えなかった罰、来世は苦しめよ？

んー、この後どうしよう。
お腹空いちゃうし川でも探すか。

…目の前にあった。何だこれ都合良いねぇ。
まぁ、有り難いが。

魚は…それ程では無いけど居ない訳ではない。

『全集中…風の呼吸 伍ノ型 木枯らし颪…。』

こんなところで呼吸が役立つとは。

魚を取りまくり、何事もなく1日目は終了した。

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