今宵、鮮血ニ染メテ。【鬼滅の刃】

4 悲鳴 ページ4

A視点

そういえば、今日は、嫌な予感がする。
第6感が優れてるから、
こういうのも当たるんだよね。

矛盾してるけど…、
ワクワクしていると言っても嘘にはならない。

やめろ。つまらない期待は。
どうせ、いいことなんてないんだからさ？
それは1番自分が分かってるはず。
1人で生き…

「いやあアアアアァァァァァァッッ！」

ふぇ？ん？
嗚呼、悲鳴だ。
私は今、両親のいる部屋の隣の部屋にいるのだが、
恐怖と焦りの気配がする。

私は、理解した。嫌な予感の正体を。

この声は多分…右斜め前の家からだ。
なぜか、この悲鳴にゾクリとした興奮を覚えた。

「やめろ！やめろオオオオォォォ！」

フハハっ！

はぁ…本当に面白い。今度は右隣か。
でも、死ねるかもね。今更生きるもクソもない。

悲鳴は、何度も聞こえた。
でも、ウチだけを避けていった。
え？なんで？ねぇ？え？

残念、残念、生憎私は死ぬことより
辛いことを知っているので怖くない。


でも…それに期待した私は可笑しいのかな？


隣の部屋からは、、泣き声怒と怒鳴り声。
通常運転だから気にせず無視しておこう。

私は空気みたいなもんだからね。
いいの。どうでも。

沢山の気配が消えている。多分、みんな、死んでる。
この村で生きているのは恐らくウチくらい。
人生、最後に喜んだのは悲鳴、か。

そして、薄々気付いてたけど、
近づいてくる気配。
２つある。
これは、どう考えても人のものではない。
というより、何なのかわからない。


でもそれは、今まで感じた何よりも禍々しく、
そして同時に何よりも美しく感じた。









次の瞬間、家は大きく揺れた。

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