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24 寝息 ページ25

実弥視点

壊した…

初めの頃、俺でも1時間弱掛かった打ち込み台を…

こりゃァ、打ち込み台に金掛かんや…

考えてる暇はねェ、次だ次。
 
「よくやったァ。
 俺でも初め1時間かかった打ち込み台を。」

頭を撫でてやると、年相応では無い、
余裕の笑みを浮かべた。

『そうなんですか…これからも頑張ります。』

…気付いてはいたが、A、
計算をしていた。

力任せではなかった。

「次は、俺の攻撃を避けろォ。行くぞ。」

当初、予定には無い鍛錬だったが
好奇心に突き動かされる。

『分かりました。』

木刀を手渡される。流石分かってんなァ。

何も悟られぬよう、気配も消すよう。
目も合わさず緩めにAへ向かう。

バッ!

飛びかかるが1割の力じゃァ、まァ敵わねェ。

稽古中とはいえ見つめられていて
心臓が煩いのは気のせいだと思っておこう。

継子相手だか、だんだん楽しくなってきている。

結局、大して鍛錬していないこいつに
4割のやる気を出すまで勝てなかった。

そこらへんの雑魚隊士10人ちょいが
束になっても勝てねぇと思う。

「よくやったァ、流石俺の継子だ。」

怪訝そうにこちらを見る。何だ何だァ?

『失礼ですが師範、弟や妹は居ますか?』

なにを言い出すかと思えば。

「ンなもん居ねェよ。」

『失礼しました。』

此奴は絶対、
俺に兄弟が居る事も死んだこともわかってる。
気配で察してくれたのか、黙ったが。

時が来たら話そう。

その後は、屋敷の周りを50周、筋トレ、柔軟と
側から見たら地獄のようなトレーニングを1日。

辛そうに晩飯を食べ、秒で寝たのを見届ける。

やりすぎか?…大丈夫か。

自室に入る前、Aの部屋を覗いた。

勿論、大きい布団の中におさまり、
すぅすぅ寝息を立てていた。

…普段は何を考えているのかもわからないがァ、
こうやって見ると普通の11歳なんだ。
大切に、壊さないように、愛を注げればいいが。

親、としてだ。

女としてそうする資格は無い。

って、何考えてんだアアアアァァァァァァッッ!!!

俺は師範、Aは継子。それで良いじゃんか。
我慢だァ、何時からこんなに我儘になったことやら。

しょうがないィ、
親として今日は同じ布団でねてやろう。

疚しい事なんざねェ。ねェんだ。

欲を無理にでも抑え、
明日の為に言い訳を考えておく。
久しぶりに人肌を感じながら、
幸せな気分で眠りについた。

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名無しのダレカ - 覇戮。さん» 言ってる!フツーに言ってる!でも見てて楽しいからなんでもあり! (2020年6月10日 17時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮。 - 名無しのダレカさん» 閲覧感謝です!伊黒さん…難しかったんですけど、彼女に依存してそうなので笑(ネタが…切れたとか言えない) (2020年6月10日 12時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのダレカ - 順位獲得記念の『自害します』で「え?」ってなりました。(ちなみに涙目) (2020年6月9日 21時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮 - 神崎さん» すみません、続編は今日の夜投稿します。宜しくお願いします。 (2020年5月28日 4時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 続編のパスワードって教えてもらうことはできませんか?できれば教えてほしいです! (2020年5月28日 0時) (レス) id: bf878b2d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:覇戮。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hal0-0/  
作成日時:2020年4月24日 20時

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