今宵、鮮血ニ染メテ。【鬼滅の刃】

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A視点

「朝だァ、起き…てるなァ。」

部屋で着替え、鬼についてノートにまとめていると
師範が漫画のように襖をスパン！と、開けた。

『おはよう御座います、
　体調は如何でしょうか。』

「はよ、悪くもねェ。」

現在朝の6時。

ふと、時計の横に貼り付けられた、
昨日貰った手書きの予定表に目をやる。

「 6時：起床
　 〜7時半：身支度、朝食
　 〜8時：自主基礎練(柔軟等)
　 〜10時：走り込み、体力作り
　 〜11時半：筋トレ、打ち込み
　〜12時時半：昼食、休憩
　 〜2時半：日替わりトレーニング
　 〜5時：勉強
　 〜5時半：手合わせ
　 〜8時：晩飯(調理時間含め)
　 〜9時：勉強
　 〜10時：自由時間
　 10時半：就寝

　 継子に土日はねェ！ 」

正直、全く持ってやりたく無いけど…
けど…
「2人に会いたいから。」
だけで単純に頑張れる。

一種の自己催眠に近いことも
しているのかもしれない。

まぁ、それでいいか。

因みに、早く終わればその分か休み、
所謂自由時間が長くなる。

『朝御飯作りますね。』

「よろしく頼むゥ。」

信頼した人に捨てられたくないから、
そう思い頼み込んだら料理と掃除はやらせてくれた。

洗濯や皿洗いは師範。

買い出しは行ける方が、
非番が重なれば一緒に。

家族みたい。

数日前にも作った、豚汁を作る。
私が食べたかったから。

この望みが許可される日が来たとは。

ぐつぐつぐつ。

前は、この中のお肉が
両親、いじめっ子だと思い込んで
気分が幾らか良くなった。
でも、師範や無一郎くんだと思っても．

…あんまり気持ちよくないなぁ。

豚汁、白米、お漬物、昨日のあまりのおかず。
食卓の上に律儀に整列している。

私は人間だし、もちろんお腹は空くが、
1日に豚汁一杯で生ることが可能だ。

まあ当然の事拒否されたから、
師範の3分の１くらいの量を一食でとることにした。

『お食事の用意が出来ました。』

「硬くなるなっつーの。」

精一杯やったんだけどなぁ。

「(ありがとう、ごめん、)」

『(挨拶の意味がわからない、でも)』

「『いただきます。』」

形だけの言葉を残す。

挨拶すると、煩いと怒鳴られる。
挨拶は、しないもの。

体が覚えちゃった。

食事中は、喋る相手もいなかったしね。

「『ご馳走様でした。』」

２言で終わった食事の裏には、
1言では表せない気遣いが詰まっていたことを
私は知らない。

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