20 部屋 ページ20
A視点
「此処、お前の部屋なァ。」
指されたのは屋敷の1番奥、師範の部屋の隣。
全開にされた襖から、部屋へ入る。
…広い…
『あの、本当にここのお部屋を
頂いて宜しいのでしょうか？』
「何回も言わせんな、
今から正真正銘Aの部屋だァ。」
実感が湧かない。
昨日まで、土の上、よくて畳の上で寝ていた私が。
「まってろ、昼飯作ってくる。」
『いや、私が作ります』
こうでもしないと、
何時捨てられるかなんて分からない。
役立たずに存在理由なんて
与えられていないのだから。
「待ってろ。上官命令だ。」
『…はい。』
今は、少しくらい甘えても良いのだろうか。
「お前、自分の歳を分かってんのか？甘えろ。」
『…はい。』
…考えを読まれたのか。
将又、顔に出ていたのか。
恐らく、いや確実に、後者だと思われる。
満足気に頭を撫で、師範は台所へ歩いていった。
数秒固まっているも、自室にはいる。
綺麗に畳まれた布団に、勉強机、椅子。
空っぽの本棚、それと箪笥。
順番に触り、見ていく。
驚いたのは、箪笥の中に着物やら浴衣やら、
簪、下駄まで入っていたこと。
屋敷の他の部屋は、殆ど何もなかった。
買ってくれた、と解釈しても間違いでは無いだらう。
人間は、私が見てきた人間か、
師範の様な人間か。
2種類であるらと言い切ってもいい。
何せ、事実だから。
気が付いた時、私は師範に
撫でられた頭に手を置いていた。
あはは、可笑しい。どうかしてる。
これから、私は何に利用されるのだろう。
玩具？家政婦？ペット？大量生産の鬼狩り？
自分で選んだとはいえ、一瞬でも気は抜くな。
癖のように、何時ものようにダラダラ考えていた。
「出来たァ。」
短く、大きく、太い声が廊下を経由して耳に届く。
勉強机の椅子から降り、床を踏み締める。
失礼は承知だが、
普段からあまり声を出さない私では声量に限界があり
届かないと悟ったので無言で。
台所へ、気配を消し引き締めながら一歩ずつ歩く。
(2歩ずつ歩くとどうなるかは知らないけど)
覗いてみると、こちらに気付いていない師範の背中、
食卓机の上には湯気を立てている魚。
2人分。
食べていいのか、なんなら毒は入っていないのか。
「おう、来たか。食うぞォ。」
『はい。』
読まれないよう、無表情で。
保てなかったけど。
『…美味しい。』
「そうかいィ。」
毒とか言って悪かったと思う。
私は、師範と村田さんを試しに信じる事にした。
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名無しのダレカ - 覇戮。さん» 言ってる！フツーに言ってる！でも見てて楽しいからなんでもあり！ (2020年6月10日 17時) (
レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮。 - 名無しのダレカさん» 閲覧感謝です！伊黒さん…難しかったんですけど、彼女に依存してそうなので笑（ネタが…切れたとか言えない） (2020年6月10日 12時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのダレカ - 順位獲得記念の『自害します』で「え？」ってなりました。(ちなみに涙目) (2020年6月9日 21時) (レス) id: 51c86cb065 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮 - 神崎さん» すみません、続編は今日の夜投稿します。宜しくお願いします。 (2020年5月28日 4時) (レス) id: c554519ff6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 続編のパスワードって教えてもらうことはできませんか？できれば教えてほしいです！ (2020年5月28日 0時) (レス) id: bf878b2d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：覇戮。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hal0-0/
作成日時：2020年4月24日 20時
