今宵、鮮血ニ染メテ。【鬼滅の刃】

13 会議 ページ13

A視点

なんか、みんな固まった。

なんかまずいこと言ったかな？
まぁ、今更生きていたいとも思わないけど。
攻撃してきたから避けただけなのにな。

「凄いも何も、上弦の参だろォ？
　鬼の中で4番目に強い奴だぞォ？」

成る程。そういう考え方もあるのか。

「A、続きを聞かせてくれるかい？」

『はい。その後は名前を聞かれて
　「鬼にならないか？」と言われました。
　それだけです。』

「そんなことがあったんだ…
　大変だったね。ありがとう。」

確かに、“だけ”ではないのかもしれない。

「今日はありがとう。柱合会議を終わりにしよう。
　Aは虐待の傷が治る迄蝶屋敷にいるといい。
　しのぶ、よろしくね。」

「御意。」

「じゃあ、今日は解散でいいね。」

「「「「「「「「「御意。」」」」」」」」」

…今日は、本当に色々あったなぁ。

夢なんじゃないかとも思う。
辛くもない、悲しくもない。

ほんのちょっとだけ疲れた。それだけ。
でも、私如きがこんな感情を持っちゃいけないんだ。

…でも、今なら良いのかも。

「南無…鬼の容姿は？」

「あの雲なんだっけ…？」

「虐待を受けていたのか。
　そんな大切なことはすぐに言え。
　そんなだから…」

「Aちゃんっていうのね！
　可愛いわ！」

因みに、今は質問攻めされてる。

なんか疲れたから口を開かないだけ。
面倒くさかったから、不死川さんの背後に隠れた。

名前くらい、教えてよ…

「おいィ、名前くらい言えよ。」

もう、流石としか言いようがない。

「そうです。
　先ず第一、Aさんは今日色々あったんです。
　今日は休ませてあげては如何です？
　また明日、蝶屋敷に改めて集まりましょう！
　ではさよなら。」

若干早口で言うと、私の手を引いて走り出した。

「ばいば〜い！私の名前は甘露寺蜜璃！」

蜜璃さんか。

…じゃなくて…

一瞬で帰ってきたは良いものの、
速すぎて腕が�げそう。

それでもって帰って早々薬を塗られる。
これが痛いのなんの。

「すみませんね、」

『大丈夫です。痛いのなら慣れてますんで。』

「そうじゃなくて、」

え？他に謝るようなこと…

「今日、本当に悲しい事が起きたのに
　行成こんな所に来て。
　辛かったら、甘えても良いのですよ？」

そんなこと言わないでください。
返事に困るから。

悲しくないし、辛くもない。

今後そうなることもない。

そんな“気持ち”を、知ることができたら。
私は、“生きよう”と思えるのかな。

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