・ ページ5
︎︎
ここに来て、何日がいや、何週間が経ったのだろうか。
食材を買い足すためだけに外に出ていったタイミングを見計らって、逃げようとする日々にも疲れ始めてきた。
「おはよう、リン」
こうやって毎日3食出される食事に手をつけず、せめてもの抵抗をする。
しかし、食べなければ蹴られ殴られが続き、
思い通りにいかなければ暴行が続くから最終的には従う。私は操り人形そのもの。
そんな日々に、精神的にも身体的にも段々と弱ってきて体はゲッソリと痩せた気がする。
「ねぇ、私も本当はこんなことしたくないの…」
『ならこの鎖を外して、外に出して』
「だから、それは無理だって言ってんじゃん」
そう言って、呆れた表情でまた私を上から見つめてくる。
このやり取りも何回繰り返したか分からない。
辛さで初めて涙が出てくる。
「可愛いリン泣かないで??」
「外の世界なんて忘れて私と一緒に居ましょう」
「オンニがリンの欲しいもの何でも買ってあげるから」
「この時のために、リンのためにオンニが一生懸命沢山お金を稼いできたの」
そう言って、また私に狂気じみた笑顔を向けられる。
と、その瞬間
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
�爐垢澆泙察爾鵝�警察ですが。ちょっとお時間よろしいですか？��
「……」
インターホンがなれば、警察の方がドンドンとドアを叩く。
それを無視して静寂を保ち、警察が帰るのを待つ今。
私は1つ大きな賭けに出る。
大きな声を出して見つからないようにと、口をタオルで閉ざされている状況で、どうにか居場所を知らせないと…。
そう思い、すぐに彼女から背を向け重い鎖で繋がれた手を何とか口元に持ってくる。
チャンスは1度限り、失敗すればもう戻れないかも…。
そんなことを思いながら覚悟を決める。
『助けて!!!!!』
一気にタオルを外して、私の限界ともいえる大きい声で助けを求める。
すると、私の声に気づいた警察が外でドアを必死に開ける音が聞こえてくる。
「何勝手にそんなことしてんの」
そう言って私は胸ぐらを掴まれる。
また殴られるか……そう思った瞬間、
バンっとドアが開く音が聞こえ、沢山の人の足音が聞こえる。
そしてスタッフオンニがが目の前で取り押さえられて私の足や手についていた鎖が外されれば、
安心と今までの疲れで、すぐにその場で意識を失ってしまった。
︎︎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
豆粒(プロフ) - 空白さん、リクエストしたのを書いて頂きありがとうございます！これからも楽しみに読ませて頂きます！更新楽しみにしています！またリクエストさせてください！ (2023年3月24日 3時) (
レス) @page13 id: e8061d22ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空白 | 作成日時：2023年3月22日 11時
