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Aside






赤「望みはなんだ?」






いつもよりも一段と低く、尖った声色で彼は言った。


別に私は彼を脅している訳では無いし、匿ってもらっている身だ。


優劣でいうならば赤井さんの方が圧倒的に優位なはずなのに、まるで追い詰められたような表情をしている。


きっと彼は自身の情報を知られることが嫌いなのだろう。







『戦い方を教えて欲しい。それに拳銃の使い方も』






赤「何故だ」


『強くなるために。私は一人で生きていく力が欲しい』







10歳の頃に痛感した。


身分証も持たない子供が一人で生きていくのは不可能に近いことを。


誰かを頼らなければならないことを。


でも今は違う。


まだ成年を迎えてはいないが、歳を重ねた。


国籍もある。


一人で生きていけるだけの年齢になった。


ならば一人で生きる術を学びたい。







赤「何故一人で生きていく前提なんだ?」





『私は……私はもういい子じゃない、完璧じゃない。テストでいい点を取れなかった。きっとジェイムズさん……父親は私に失望する。失望すれば捨てられる……』






"こいつは何をやっても役に立たないな"


"ああ、処分しよう。捨ててしまえ"


いつかの誰かが言っていた。


役に立たない子供は早いうちに劣悪な客に売られる。


もしくは捨てられる。


少しでも生き延びるために、いい客に売られるためには完璧な子でないといけない。


悪い子供は捨てられる。


いつ捨てられてもいいように、生きる術を知りたかった。


強くなりたい。









赤「……お前は本当にそう思っているのか?」








赤井さんは私の腹部に貼ろうとしていた湿布を持ったまま、すっ飛んだ声を上げた。


こくりと頷けば彼はやれやれとため息をつき、少々強めに湿布を貼ってくる。


痛さに顔をしかめれば、シワの寄った額を指で弾いてきた。






『痛い、何するの』


赤「お前が悪い。……はぁ、自宅の電話番号わかるか」


『え?うん……』


赤「教えろ」





電話番号を言えば赤井さんは即刻電話をかけ始める。


恐らく出たのはジェイムズさんだろう。


赤井さんは小声で私の身に起きたこと、そして私を保護していることを手短に伝えた。


そしてすぐに電話を切ってしまう。






赤「君のお父さんが迎えに来るそうだ、今すぐ」


『え』










今すぐって、



ジェイムズさんはお仕事だったのでは……。

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greenthemumkiku(プロフ) - すごく...すきです、、更新、待ってます、、!!!!はよ赤井さん出てくれぁえええ、!! (2022年3月27日 23時) (レス) @page29 id: c57106f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 稲荷さん» ありがとうございます!まだまだ書き始めたばかりですが、できる限り更新できるよう頑張ります! (2022年2月17日 21時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年2月17日 21時) (レス) @page10 id: d01056f976 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2022年2月15日 20時

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