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Aside






翌日、さっそく私は学校の帰りに喫茶店へ寄った。


丁度おやつ時で店内にはスイーツを注文する客がちらほらとおり、甘い香りが漂っていた。


そういえば私はお菓子といった甘いものをあまり食べたことがない。


ジェイムズさんが好きではないというのも理由の一つだ。


もちろん健康にあまりよろしくないことも知っている。


が、興味はある。


今度お小遣いが貯まったら買ってみよう。







「いらっしゃい、ご注文ならこちらへどうぞ」







不意に声をかけられてびくりと肩が跳ねた。


キョロキョロと店内を見渡すと、レジのカウンターで店員さんが笑みを浮かべて待っていた。






『すみません、サンドウィッチのテイクアウトを頼みたいんですけど』


「どの種類がいいですか?」


『えーと、オススメでお願いします』


「かしこまりました、今からお作りしますので出来上がるまで少々お待ちください」







番号札を貰った私は、ちょこんとレジの横の空いたスペースで待つことになった。


やがて新聞配達の人が夕刊を届けにお店にやってきた。


続いてその夕刊目当ての老人が何人か、コーヒーを頼んでテラス席へと向かっていく。


ぼんやりとしていればいつの間にかサンドウィッチが出来上がったらしく、番号を呼ばれた。






「お待たせしました、こちらお会計になります」






紙幣を二枚だすと中途半端に硬貨のお釣りがくるので、釣り銭の切りがよくなるようにお金を支払った。


日本円でいえば、2952円のところ3002円だしてお釣りを50円ぴったりになるようにしたのだ。


きりのいい数字に店員さんが口笛をふいて褒めてくれた。


それとは別に声が聞こえてくる。










「ほー、アメリカではあまり見ない払い方だな」










低い掠れた声だった。


ゆっくりと後ろを振り向くと、アコーディオンを担いだ黒キャップの男性がいた。


いつも私が窓から眺めていた、緑の瞳が綺麗な男性だ。


彼は不敵に微笑んでいた。


固まる私を見ておおいに満足しているようだった。









それもそのはず、彼は日本語で話しかけてきたのだ。

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greenthemumkiku(プロフ) - すごく...すきです、、更新、待ってます、、!!!!はよ赤井さん出てくれぁえええ、!! (2022年3月27日 23時) (レス) @page29 id: c57106f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 稲荷さん» ありがとうございます!まだまだ書き始めたばかりですが、できる限り更新できるよう頑張ります! (2022年2月17日 21時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年2月17日 21時) (レス) @page10 id: d01056f976 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2022年2月15日 20時

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