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Aside





喉元を狙った攻撃は、慌てた男の悲鳴とともに防がれてしまう。


男は分厚い手袋をしていた。


その手に阻まれ私の武器は虚しく手袋を深く噛んでしまう。







「Back off! Back off!

Attacked by a girl!」






男がなんと叫んでいるのかはわからなかった。


けれども獲物を仕留め損なったからには反撃しなければならない。


再び口を大きく開き、噛み付こうとした所で私の体は誰かに押さえつえられる。


いとも容易く地面に這いつくばることになった私は、ようやくそこで光に刺された視界が正常に働き始めていた。


ハッハッ、と荒く息を吐く一匹の犬と、


紺色の上着を羽織った複数の大人の人達。


その上着には黄色い文字で






"FBI"






と書かれていた。


暴れる私を押さえつける男性が言う。







「Hey,calm down please.
You don't have to be scared.
I'm on your side.

…Maybe we can't communication?

Are you Japanese?」








ぽかんと目を見開いてその男性を見つめる。


彼が何を言っているのかは全く理解できなかった。


けれどもFBIという存在は知っていた。


あいつらがよく言っていたのだ。


"FBI"は危険な存在だと。


あいつらにとって危険な存在ならば、私にとってはもしかしたら…。









「Hurry up and come here.
Ask for an interpreter.」








言葉が通じないと判断した彼らは、眼鏡をかけたとある男性を連れてきた。


たれ目が印象の中年男性だった。


彼はそっと微笑んで私の前で膝をつき、視線を合わせてくれる。


そしてやや発音は悪いが、日本語で話しかけてくれた。






「はじめまして、私はジェイムズ・ブラック。怖がらないでくれ、私たちは君を助けに来たんだ」







これが私と、後に保護者となってくれる彼との奇妙な出会いであった。

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greenthemumkiku(プロフ) - すごく...すきです、、更新、待ってます、、!!!!はよ赤井さん出てくれぁえええ、!! (2022年3月27日 23時) (レス) @page29 id: c57106f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 稲荷さん» ありがとうございます!まだまだ書き始めたばかりですが、できる限り更新できるよう頑張ります! (2022年2月17日 21時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
稲荷(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年2月17日 21時) (レス) @page10 id: d01056f976 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2022年2月15日 20時

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