ドS王子 と 静かな ページ8
*
『 確かに寒い ..』
幹部の部屋へと繋がる廊下は、いつものように静かで
遠くの食堂からの声が一層賑やかに聞こえる。
土方さんのご好意をありがたく思いながら
肩から掛かる上着の中で身を縮めながら一番奥の自室を目指す。
盛々様を保護できたことは良かったけど、
他にもいろいろありましたし。
..沖田くんのこととか 。
そしてこれだけ寒いと文句もでるもので
『 災難だったな ぁ ..』
「 なにがですかｨ 」
『 .ｯ!? 』
独り言に返事が来れば誰でも驚きはするだろう。
私も声こそ出なかったものの、あからさまに肩が大きく上下する。
声のするほうを即座に見上げれば、
腕組をしながら柱に背中を預ける沖田くんの姿。
「 そんなに驚くことですかｨ 、 それとも ..」
「 俺に聞かれたくないことでしたかｨ ？」
あきらかにわかっていて質問をしてきている。
そう表情が語っていた。
『 ..いえ別に 』
図星を突かれまいとこの場から去ろうとすれば
ｸﾞｲｯ
『 ちょっ 、』
肩にかかっていた上着を剥がされ、思わず声が出る。
『 返してもらえますか 』
取られた上着を取り返すために手を伸ばすが、
簡単に避けられてしまう。
「 土方さんのですかｨ 」
「 ..気に食わねｪ 」
『 えっ ？ 』
目が笑ってない..
「 マヨ臭い上着羽織って臭い巻き散らかさないでくだせｪ 」
気に食わないって..そういうことですか..
確かに上着からは沖田くんの毛嫌いする土方さんの吸っている煙草の匂いがする。
『 風邪ひかないようにって土方さんが貸して下さったんです 』
返せと両手を伸ばして促せば、
「 ..だったら俺のを使えばいいじゃないですかｨ 」
『 ｯ ..!!』
突然目の前が暗くなったと思ったら
沖田くんの匂いに包まれる。
頭に被さったものを取って確認すると
『 うわ..ぎ..? 』
『 どういうことですk 』
質問しようと顔をあげれば、既に廊下の角を曲がろうとしていた。
気に食わないのに持っていった..
匂いが嫌なのに...どういうこと.. ?
『 ..あったかい 』
さっきまで沖田くんが着ていたから、まだ温もりが残っていた。
さっきまでモヤモヤしていたはずなのに。
どうして頬が緩んでしまうのでしょうか。
軽くなった足取りで
再び自室へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうか - なんか終わっちゃった感じですかね？でも面白かったです！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: e9f436c148 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新はまだですか！？ 楽しみに待ってます！ (2017年9月8日 15時) (レス) id: 548bac4832 (このIDを非表示/違反報告)
はねスライム - チャラ男の沖田くん…続きが気になります！頑張って下さい(o≧▽゜)o (2017年8月28日 13時) (レス) id: 307d223fb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：□白澤□ | 作成日時：2017年8月4日 16時
