【鬼滅の刃】処刑までの2週間

無為無聊の道すがら ページ6

『そろそろ行きますね』


「お気をつけて！」









蒼夜の声を背に戸を開ける。

勿論狐面は装着済みだ。




鏡屋敷は本部の周辺といっても離れた所にあるので、余裕をもって屋敷を出る。


気持ち良さげに高く飛ぶ暁を横目に、本部に向かって歩き出した。


もう陽も登りきっているからか、人も出てきていた。









「おい見ろよあれ、鏡柱だぞ」


「うわぁまだ居たんだ……姫妃ちゃん傷つけといてよく平気な顔して居られるよな」


「この前も人の手柄奪ったって聞いたぞ」


「ええー、私は村人を盾にしたって聞いたよ??」









どれも記憶に無さすぎる。









「どっちにしろ最悪だな…」


「そんな人と同じ鬼殺隊だと思われたくないな」


「はやく辞めろよ…」


「いっその事もう切腹でしょ！隊律違反しすぎじゃない？」


「ははっ、それ良いな！」









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耳に入ってくる言葉にはもう慣れた。

研ぎ澄まさた感覚の中で、必要な音のみを拾う。









「また無限列車に向かった隊士が行方不明になったらしいぜ……」


「マジかよ…もうすぐ柱が動くんじゃね？」


「柱かぁ…1回で良いから稽古つけて欲しいなぁ……」


「無理無理。お前なんかじゃ相手にされないって！」


「けど最近甲乙の隊士の生存率高いよな？
あれ、噂では柱に弟子入りしたかららしいぞ！」


「マジかよ!?羨ましい……どなたに？」


「さぁ？そこ迄はわかんねぇよ」









『噂になっていますか……
気をつけなければなりませんね。








………勘づかれないように』







迷惑を、かけたくないから。









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「何を勘づかれないようにするんだァ？





…この裏切り者」

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