変わらない安寧は此処に ページ13
くいな様に案内され、
御館様のいらっしゃる部屋に着いた。
面を外し懐に入れる。
『失礼致します、御館様。鏡花です。』
「入ってくれて構わないよ。」
襖を静かに開けると、脇息にもたれて
何やら考え事をしている御館様が居た。
もう一度失礼致しますと言って、
御館様の真正面に座った。
開け放たれた縁側からゆるりとした風が吹いてくる。
「鏡花……本当にこれで良かったのかい？」
『ええ……人は、情に流されやすいものです。
そして、一度信じ込んだら中々考えを変えません。
今更何を言っても、届かない。
頭で考える前に、心が言葉を拒否します。
勿論、柱の皆さんは悪くありません。
仲間を守ろうとなさっているだけですから。
-
-
ただ、その仲間に私が入っていなかった。
……それだけです。」
-
自嘲めいた笑みが漏れる。
始めは、仲間だと思われていた…と思う。
一緒に甘味処に行った。
鮭大根だのふろふき大根だのを作った。
滝行や稽古もした。
楽しかった。
-
-
-
ただ、それだけだったんだろう。
私にとっての"特別"は、
皆にとっては取るに足らない事。
『ふふ……
友情も、
積み上げてきた時間も、
………人生も。
所詮、こんなものですよね……。
-
人間は、
儚く、醜く……………愚かだ。』
-
-
「鏡花………っ、
君を救えなくて…………すまない。
ただ、誰が何と言おうとも
私は君の優しさを知っている。
強さを知っている。
苦しみを知っている。
-
真実を知っている。
その上で言おう。
-
-
-
………君は私の、最高の剣士だ。」
『っ……………御館様……。』
御館様の1/fゆらぎで紡がれた言葉に
心が震えた。
今までのどんな言葉より嬉しい。
生きてきた甲斐があった。
初めて報われた気がした。
三つ指をつき、頭を下げる。
『っ……ありがとうございます……
御館様……、
…………産屋敷耀哉様。
-
…貴方様が私の主君で、良かった。』
「ありがとう……鏡花。」
-
陽光が射した部屋にだけ、穏やかな時が流れていた。
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光闇 - ハッピーエンドでいいんですか？ (6月8日 22時) (
レス) @page22 id: 2a2d152930 (このIDを非表示/違反報告)
アマリス(プロフ) - 柱達と仲直りしないんだね！良かったー！あんな人殺し集団と仲良くする義理なんてないって！ (2023年1月31日 9時) (レス) id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桜井直（なお）(プロフ) - 面白いです！終わりとなってたんですけどもう終わりなんですか？ (2022年9月23日 22時) (レス) @page24 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
伯愁(プロフ) - マナさん» 夢小説と名乗る以上当方での完全な名前固定は致しかねます…申し訳ありません。 登場人物設定の「夢主」の欄に何も入力されないとデフォルトの名前のままお楽しみ頂けるかと思います。 ご希望に添えず申し訳ありません。ご理解頂けると幸いです_(。｡)_ (2022年1月27日 19時) (レス) id: ca8a5a890b (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 名前変換しなかったら、名前は鏡花のままですか？ (2022年1月25日 17時) (レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伯愁 | 作成日時：2020年5月10日 20時
