【鬼滅の刃】処刑までの2週間

柱合会議 ページ9

互いに口を開かないまま、
何処か上の空の状態で産屋敷邸に着いた。


周りで他の柱が何かと言っているのが視界に映るが、
その音は耳をすり抜けて虚空に溶けていく。


そんな中、ふと気配を感じ膝をついた。









「御館様様の御成です」



柱達が即座に膝をつく。

先程まで炎柱に泣きついていた姫妃は
ニヤニヤとした顔で此方を見ていた。







「よく来たね。私の可愛い剣士(こども)たち」








ひなき様とにちか様に手を引かれて
やって来た御館様はその優美な顔を
何処か曇らせていた。







「お早う、皆。今日は少し空模様が悪いね。
顔ぶれが変わらずに柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ」


「御館様におかれましてもぉ、御創建で本当に何よりですっ！
益々のご多幸を切にお祈り申し上げます!!」



「…ありがとう、姫妃」









「今日集まってもらったのは、
通達してある通り鏡花と姫妃の事についてだ。

まず姫妃、話を聞かせてくれるかい？」





「もちろんですっ！

あの、私だいぶ前から鏡花ちゃんに嫌がらせを受けててぇ……
私が柱になって少し経ったくらいの合同任務で、急に斬りかかられたんです……！
その時は、手元が狂ったのかなぁ…って思ってたんですけど…その後も同じ様な事が続いて…っ！

ある日の合同任務で、私……、鏡花ちゃんに鬼の方に突き飛ばされてっ!!
私が何とか立て直して戦っている時も、鏡花ちゃんは見ているだけで……。

柱の皆さんに相談したら、皆さん私を守ってくれようとしてくださったんですけど…皆さんが居ない所で



"私の柱に手を出さないで!!この醜女が！"



って斬りかかられて…っ！
急いで避けたんですけど恥ずかしながら
肩に傷を負ってしまいましたぁ…本当に不甲斐ないですぅ…………」








うん、一言良いですか??









-









-









-









-









身に覚えが無さすぎる









-









……落ち着こう。




今(悪女():あの人)が言った事は、全部姫妃がやった事だ。





姫妃は"本当に柱……??"と思う程強くない。

正直言って弱い。弱すぎる。








ある日、丁の隊員が私に教えてくれた。

姫妃は別の人の手柄を奪って階級を上げていったと。

その奪い方は卑劣なものだったと。









そんな事を考えていると、御館様が言葉を発した。



「……ありがとう、姫妃。
次に鏡花、君の話を聞かせてくれるかな？」

極致への諦念→←揺らぎは泡沫のうちに

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す