伯爵家は今日も騒がしい！４【オリジナル】

三話 久しぶりの再会 ページ3

「「「おかえりなさいませ」」」
「ただいま」
「ただいま！」

冬季休暇が始まり、ロナルド様とクラリス様が伯爵領へご帰宅なさった。旦那様やアルバート様、まわりの使用人の方々に挨拶したあと、クラリス様はずんずんこちらにやってきて、私をぎゅっと抱きしめた。

「ただいま、ソフィア！会いたかったわ！」
「私もです、クラリス様」

女同士と言えど、こういうのはちょっと恥ずかしい。でも、久しぶりの再会は私も嬉しかった。

「ソフィアに話したいこと、いっぱいあるのよ。手紙じゃ語りきれないくらい。あとで話聞いてね」
「はい、もちろんです。あ、それと……」

私はにっこり笑って告げた。

「ルイス様とのご婚約、おめでとうございます」
「や、ちょっと、うん……ありがとう」

クラリス様はカーッと顔を赤くし、少しはにかみながらそう言った。その笑顔はいつものクラリス様ではあるけれど、どこか少し大人っぽくて。やっぱり寂しい気もするけれど、嬉しかった。
クラリス様の反応に、まわりの先輩たちもクスクスと笑う。『笑わないでよ』とちょっと怒ったように頬を膨らませていた。

「ルイス様とのお話も聞かせてくださいね？手紙じゃあまり書いてくださってませんでしたし」
「もう！じゃあ、ソフィアもそれ系の何か話してよね！」
「いや、私は……」

逃げようとしたが、先輩たちはまだクスクスと笑っている。

「ソフィアちゃんには"彼"がいるものね〜」
「なっ、なんで、それ」
「皆知ってるわよ〜！知らないのは本人だけなんじゃない？」
「え、なになに？！ソフィアそんなこと手紙に一言も書いてなかったじゃない！詳しく聞かせてもらうわよ！！」

がっしり肩をつかまれ、そう告げられる。人のことは言えないが、恋バナに目がない女子は怖いな、と感じた。

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