七話 相談 ページ7
「ソフィア、最近グレンさんと仲いいんだな」
「嬢ちゃん、アルバート様の執事さんとよくいっしょにいるところ見るけど仲良いのかい？」
「最近どう？グレンくんと上手くやってるか？」
「ソフィアさん、これグレンさんに届けてもらえますか。お昼に会うでしょう？」
最近よくそんなことを言われる。エヴァンくんにも、番兵さんにも、庭師の人にも、テオさんにまでも。曖昧に返事を返しても皆ニヤニヤしているような顔で見てくるのだ。
そりゃあ、いっしょにいることは多くなったけど自分では仲良くなっているのかわからない。不安は募る一方だ。
「順調そうね〜、あなたたち」
夜、エマさんに部屋に呼ばれて伺うとそのようなことを言われた。
「順調……なんですか？」
「あらそうよ。皆言ってるでしょ？最近仲良いね、って」
その口ぶりハッとする。そうだ、あんなに皆さんが私に言ってきたのって……
「ま、まさか、エマさん皆さんに言ったりとか……」
「言ってないわよ！約束したでしょ。皆にもはっきりわかるくらいあなたたちは仲良くなってるってことよ」
「で、でもグレンさん、わかりにくいから親しくなってるかはあまり……」
そう言うと、エマさんはため息をついて私に言った。
「いい？あいつが女の子と一日のうちで長くこれだけいっしょにいることなんてそうそうないんだから。そりゃあ、びっくりするほどわかりにくいけど、あなたより長くあいつを見てきた私含め皆が言うんだから自信持ちなさい」
「でも、今の状況、私がグレンさんに付きまとってるだけじゃないですか？もしグレンさんに誰か好きな人がいたら、私邪魔なんじゃ……」
悩みの種を思い切って話す。さすがに『エマさんのことが好きかもしれない』とは、当の本人に言えなかった。すると、エマさんは私の肩をガシッと掴んで言った。
「だったら、他の誰かじゃなくて自分を好きになってもらえるように、このまま付きまといなさい！」
勢いに気圧されて目を白黒させていると、エマさんが何かを見せてきた。
「ここに、王都で開かれるサーカスのチケットが二枚あります」
これは、近隣諸国をまわっている有名なサーカス団の一般チケットだ。こんな入手困難なもの、一体どうしたのだと聞く前に無理やり渡される。
「今日の用事はこのチケットを渡そうと思ったの。これをソフィアにプレゼント！楽しんできてね〜」
有無を言わさず、部屋の外に出される。
(一体どうしろって言うの……！)
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お芋(プロフ) - しぇるふぃあ。((芦原晴))さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、大変嬉しいです！嬉しすぎて小躍りしてしまいました……本当にありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2019年11月25日 23時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。((芦原晴))(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございます！臨場感あふれる文章から伝わる伯爵家のキャラの濃さや、執事・使用人陣のよさ、なんといってもソフィアちゃんとアリスちゃんの可愛らしさにいつも癒されています(*^^*)これからも更新、陰ながら応援させていただきますね！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋 | 作成日時：2019年11月25日 20時
