六話 チェス ページ6
胸が高鳴る。嬉しく思うと同時に、また怒られたり時間が守れない人だと思われたくない。時計を見れば、もうすぐ休憩時間が終わる頃だ。急いで片付けようとすると、ふとグレンさんが口を開いた。
「……チェスですか」
「え、はい、そうですけど……」
今まで休憩中のことに関して何も言わなかったグレンさんのその発言に少し驚く。
「そういえば、昔グレンとやったけど、けっこう強かったよな。今からやってくか？」
確かに強そうではある。私ごときでは絶対に勝てなさそうだ。しかし、アルバート様の提案にグレンさんは首を振った。
「もう時間も終わりです。家庭教師の先生もいらっしゃってます」
「じゃあ、明日！明日のこの時間に、どうだ？」
(えっ、それってグレンさんがここに参加するってこと？！)
思わぬ展開にドギマギしつつも、こういうことにグレンさんは参加したがるタイプなんだろうか、と考える。あまり想像がつかない。しかし、思わぬ方向に本人が答えを出した。
「……わかりました。時間を調整しておきます」
「よし！じゃあ明日の初戦は俺とだからな！その後はソフィアと！わかったな！」
「は、はあ……って、え！？」
なんと、グレンさんの参加が決定してしまった。明日からとはまた急なことである。しかも時間を調整してまでだ。それほどチェスがしたかったんだろうか。
△▼△▼△▼
次の日。
「……ま、負けた」
手加減を知らないグレンさんに私はぼろ負けしているのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お芋(プロフ) - しぇるふぃあ。((芦原晴))さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、大変嬉しいです！嬉しすぎて小躍りしてしまいました……本当にありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2019年11月25日 23時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。((芦原晴))(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございます！臨場感あふれる文章から伝わる伯爵家のキャラの濃さや、執事・使用人陣のよさ、なんといってもソフィアちゃんとアリスちゃんの可愛らしさにいつも癒されています(*^^*)これからも更新、陰ながら応援させていただきますね！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お芋 | 作成日時：2019年11月25日 20時
