番外編二 ページ31
街はいろいろなものに溢れていた。これを見て気持ちが高ぶらない者がいるだろうか。
俺はソフィアを連れ回して久しぶりの街を楽しんだ。そのせいか、彼女は先に休むと言って広場の方へ行ってしまった。
「あまり自分勝手に行動するなよ」
「わかってるって」
珍しく敬語を使わないグレンがなんだかむず痒い。俺の兄という設定だから仕方ないけど。こんな頭の固い兄さんはゴメンだな、と思った。
ソフィアがいなくなってからもしばらく店を見ていた時、良いものを見つけた。紫や桃色といった色の花がついた髪飾りだ。きっと彼女に似合うだろう。
「ねえ、お兄ちゃん。この髪飾り、ソフィアに似合うと思うんだけど、どう？」
「え？まあ、いいんじゃないか」
なんと素っ気ない返事だろう。俺が流行りの女物の服を着て見せたり、髪を結ってみせてもこういう反応だ。ソフィアなら素直に褒めてくれるのに。
「これ、ソフィアにプレゼントしようかな。ねえ、お兄ちゃんも何かプレゼントしなよ」
「……どうしてだ」
「いいじゃない、たまには」
そう言って強引に勧めると渋々といった感じでプレゼントするものを選び始めた。
最近、グレンがおもしろい。俺が休憩時間後もソフィアに引っ付いてると迎えに来ては、少し彼女と話すようになった。
グレンは女性だと幼なじみのエマくらいしか話しているのを見たことがない。大抵の女性は無愛想なあいつとはあまり話したがらない。仏頂面が怖いのだろう。気持ちはわかる。そんな彼だが、ソフィアは別に臆することも無く話していた。
休憩時間外にグレンが視線を他所に向けたと思うと、その先には大抵ソフィアがいた。そのことについて聞けば、
『あの人は危なっかしいですから』
と答えていた。本当にそれだけなのか真意はわからないけど、グレンが他人に興味を持つのは珍しい。よく出来すぎている従者はそれ故に少し心配なのだ。
そんなことを考えていると、どうやらプレゼントは決まったらしい。俺の選んだ髪飾りについている花と同じような飾りのついたネックレスだ。なかなか良いセンスじゃないか。それに、ソフィアに似合いそうでもある。
そんな執事の少しの変化に俺は一人嬉しくなった。
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お芋(プロフ) - シャル＠如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます！お褒めに預かり光栄です！頑張ります。ありがとうございます！！ (2019年9月18日 19時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル＠如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！早速読ませていただきました！凄く分かりやすくて良い小説ですね！何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋 | 作成日時：2019年9月6日 17時
