四話 女の子 ページ4
ここで働き始めてから数日が経ち、ミリアさんの指導もひととおり終わって、実際の仕事にようやく取りかかれたころだった。
「ど、どうしよう……」
広い廊下に掃除道具を携えてたたずむ私。
迷った。ここはどこだ。掃除に夢中になって気づいたら全然知らない場所にいた。屋敷内はだいたい同じような絨毯や壁紙で揃えており、一定間隔でオシャレなランプが設置されている。そのせいで余計にここがどこだかわからない。部屋もいくつかあったけど、担当以外の場所には入るなと言われてる。その上、おかしいことに人っ子一人見当たらない。
(この後の仕事もたくさんあるのに……声を上げる?ミリアさんにまた怒られちゃうかな……)
一人オロオロしていると唐突に後ろから声がかかった。
「どうしたの?」
振り返るとそこにはとんでもない美少女がいた。思わず掃除用具を片手にあんぐりと口を開けてしまう。
見る限り十歳くらいだろうか。ブロンドの真っ直ぐでサラサラな髪に透き通るような白い肌。深い青の瞳が印象的だ。着ているものからして、どこかのお嬢様だろうか。
ミリアさんに言われたことを思い出し、口を閉じた私は慌てて頭を下げる。
「顔を上げて。そんなにかしこまらなくてもいいから。それで、どうしてこんなところに?」
「道に迷ってしまいまして……最近ここの仕事に就いたばかりなのです」
「そうだったの。じゃあ、玄関まで案内してあげる!」
「そんな、お嬢様の手を煩わせるわけには……」
そう言うと、その女の子は少し目を見開き、ニコッと笑った。
「あなた、わたくしの名前をご存知?」
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お芋(プロフ) - シャル@如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます!お褒めに預かり光栄です!頑張ります。ありがとうございます!! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル@如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます!早速読ませていただきました!凄く分かりやすくて良い小説ですね!何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お芋 | 作成日時:2019年9月6日 17時