第一章 一話 使用人になります ページ1
「は〜、大きいお屋敷……」
見上げた先に建っているのは通っていた平民の学校の校舎よりうんと大きいお家。きらびやかな飾りがついているわけではなく、シンプルだけどオシャレな外装と管理が行き届いた華やかな庭。滅多にこの近くに来ることは無かったけど……想像以上に立派なお屋敷だ。
ここはルズベリー伯爵家本邸。古くからこの地を治めるこの伯爵家の門の前に、平民の私がなぜいるのかというと……
私の家はこの伯爵領地に面する海の近くで定食屋を営んでいる。街や漁師の人達はもちろん、ほかの領地や他国の人達もよく訪れる店だ。
家族は母と兄がいる。父は私が小さい頃に他界した。
店は今では兄が継いでおり、数名の従業員さんたちと切り盛りしている。
私もつい先日まで兄と一緒に店で働いていたのだけど……母が病気にかかってしまい、薬代を払うのにどうしてもお金が必要になった。
そんな時、店の常連さんの一人から伯爵家本邸での使用人の仕事を紹介された。住み込みで給料もとてつもなく良い。『いつもお世話になってるから』とニカッと笑ったあのおじさんの顔は忘れません。ありがとう、おじさん。
そんなこんなで今ここにいる。
(い、いい今更だけど、私、作法とか全然わかんないけど大丈夫かな！？領主様は遠目に見た事はあるけどご子息様方は見たことも無いし……めちゃくちゃ厳しかったらどうしよう！)
本当に今更ながらそんな思いがフツフツとわいてくる。
ひとり門の前でワタワタしていると番兵さんが使用人の服を着た一人の女性を連れてきた。
「はじめまして、ソフィアさん。私はここのメイド長のミリアです。これからよろしくね」
「は、はい！よろしくお願いします！」
その女性はどうやら私の上司となる人らしい。安心した。穏やかで優しそうな人だ。
「ふふ、あんまり緊張しなくて大丈夫よ。案内するからついてきて」
「はい！」
大きな返事をして、私は伯爵家に足を踏み入れた。
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お芋(プロフ) - シャル＠如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます！お褒めに預かり光栄です！頑張ります。ありがとうございます！！ (2019年9月18日 19時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル＠如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！早速読ませていただきました！凄く分かりやすくて良い小説ですね！何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋 | 作成日時：2019年9月6日 17時
