【怪盗キッド】怪盗さんとバカは。1【紺青の拳】

7話 ページ7

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あんなに無理難題だったシンガポール旅行のチケットをどうやって手に入れたのか。

まさかあの哀ちゃんから薬をもらったとでもいうのか。あんなに頑なだったというのに。
はたまた実は予備を持ってたとか。こっそり盗んできた、とか。
どんな手段を使ったにせよ、今ここにいることは紛れもない事実で。


またもや雲行きが怪しくなってきた、と頭をよぎる。
無事に飛ぶのかこの飛行機。
事件、という二文字がどうしてもちらつく。

というか、そもそも出国手段が手に入ったら、私に連絡くらいくれたっていいものを。これでも少しばかりは協力したというのに。
そんな気を回せるような奴じゃないことは、遠の昔から知ってはいるけど。

文句ありげに彼を見つめていれば、新一が一瞬こちらを見た。そして何を思ったか、ニヤリと口角を上げる。
その得意げな表情が、どうしてか生意気なコソ泥を彷彿とさせて、更にげんなりしてくる。


せっかくの休みなんだし、楽しいだけの思い出になればいいけど。

そんな私の切な願いも知らない彼らは搭乗口へと意気揚々と向かって。
これで全員そろった………いや。

「園子、そういえば京極さんは？」
私が尋ねれば彼女は携帯から顔を上げ、これまた楽しそうに口を開いた。
「真さんは、現地集合なの！」
あー、彼、そういえばアメリカにいるって言ってたっけ。
と、すればそのメール操作もきっと彼に向けたものに違いない。


少々ランクの良い座席に体を沈めた私は、なるようにしかならないかあと、目を閉じた。
ここまで来たら、楽しむことに専念しよう。

そうして飛行機に乗り込んだ私たち5人は日本を飛び立ったのであった。

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