【怪盗キッド】怪盗さんとバカは。1【紺青の拳】

4.5話 ページ5

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脳内で言葉がリフレイン。
なんでも、彼は今なんでもと確かに言った。

「ぁ、いや、なんでもっていったって、それ」
「いいよ、頼んであげる」
「いやだからだな、お前、なんでもって言っても」
「わかってるわかってる。新一にできること、なんでもでしょ？」
否、新一にできないことなんてない。空も海も、火の中水の中である。

「そ、うだけどさぁ！！」
ガシガシと頭をかいた彼は言葉に渋るが、口に出してしまったものはもう戻らない。
よし、決まりだ。

「なにしてもらおっかな〜」
さっそく、博士の家に足取り軽く踏み出した私に
何かいいたそうに口を動かした新一は、迷った挙句
「成功報酬だからな！！」





そうしてめでたく新一のシンガポール旅行が決まった………わけもなく。
哀ちゃんはそう簡単に揺らがなかった。

「それで私が首を縦に振るとでも思ったのかしら」
「いやまあ、ですよね……私も無理だと思ってました」

_____結局、開口早々ノックアウト。

新一の頼みも虚しく、哀ちゃんに門前払いにされ、
彼の楽しいシンガポール旅行も、「何でも言うことを聞いてくれる」なんて私の目論見も、儚く散り去ったのであった。

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