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532話 ページ8

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そういえばそんな話をしていたな、と思い出していると「あー、そういやそうだったな」と似たような反応を浮かべた快斗。
一旦家帰ってから向かうから、との彼の言葉に間髪入れずに
「まぁたサボるつもりでしょ!」
青子ちゃんの怪訝な顔。
「サボんねぇよ!」
負けじと言い返すのはいつものこと。
「そう言って去年も青子1人で準備したんだからね!」
「あ、あれは、去年急に母さんが帰ってきたんだから仕方なかったっつーか…」
「快斗いっつも掃除サボるし!」
「それとこれとは今、関係ねーだろ!」
なんだがどんどんヒートアップしてきた。それは子供じみたように、言葉の揚げ足を取り合っているのではない。
「もー!約束したじゃん!」
「だから、後で………!!」
また噛み付くようにそうまで言って、そこで彼が思わず言葉を飲み込んだのは。

「青子、楽しみにしてたのに…」
良くない、と思った。何がって、私が、である。
ずっと関係がある幼馴染の2人を、ほんの半年の私がどうしてここまで嫌な空気にさせるのだろう。

「快斗、そういうのサボるのよくないって」
そして、つい言ってしまうように。正しい言葉は口から出た。
彼は私に視線を向けた後、少し膨れるような顔をしてから
「ほんと俺って信用なさすぎんだろ」
「別に青子はそう言ってるわけじゃないけどさぁ!」
すぐに否定したのは彼女の方だった。それに続けて
「でもサボったのは事実でしょ!」
否定しないのは、サボったにしろ、やむを得ず無理だったにしろ、参加できなかったことは事実だからであろう。どちらにしても、2人の過去のことは私は知らない。

言い吃った快斗に、私は笑った。
「じゃあ快斗は強制送還ってことで」
そう言うと、青子ちゃんも続けて
「そういうこと!」と彼の背中を押した。
「立派なツリーできたら見に来てね!」
青子ちゃんの笑顔に、ありがとう楽しみにしてる、と。
一方、サボらねぇっつってんのに、と不満げな彼の呟きは
「へいへい、わかりましたよー」
と諦めたような声に変わって、2人は遠ざかった。その光景を何故か、なんとも感じないような気持ちで見送る自分もいる。


彼らが数歩進んでから、黒い学ランが私の帰る道を振り返った。私の目とかち合う。
気づかなかったわけではない。しかし今度、背中を向けて歩き始めたのは私だった。

言いたいことはわかる。ともすれば、これから言うことだって………

「気をつけて帰れよ」
__わかっていた。

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亜美(プロフ) - コメント失礼します!前から作品が好きでした!もう一度読みたいのでよろしければパスワード教えていただきたいです(><) (4月15日 2時) (レス) id: fbde56e50b (このIDを非表示/違反報告)
ころころ。(プロフ) - コメント失礼します!とても面白かったです!前作等の作品も気になるので可能であれば、パスワードを教えて頂きたいです🙇‍♀️ (4月11日 15時) (レス) id: 00f5510b14 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - コナン公開に向けてまた読みたいと思ってたのでとっても嬉しいです!!楽しみにしてます! (4月11日 10時) (レス) @page48 id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!ひゃー!めちゃくちゃ面白くて是非もう一度読みたいと思っていたので嬉しいです!無理せず頑張ってください!応援してます!!! (3月6日 20時) (レス) @page48 id: 6ea4e387cc (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - コメント失礼します!とても面白かったので前作をもう一度読みたいので、良ければパスワード教えていただきたいです🙇‍♀️ (2月24日 10時) (レス) id: 7c015ce2b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Frisk | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月3日 23時

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