【怪盗キッド】怪盗さんとバカは。12

525話 ページ1

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「やっぱカラオケだけじゃない…」
つまり、そういうことだろう。彼女の家でクリスマス会…とまでは名目打たないにしても、それらしきことはするに違いない。絶対そうだよ。
クリスマスパーティーという言葉に急かされて参加するつもりになったけど、向こうのほうが上手だ。やっぱり今更ダメかなぁ。毎年やってるそれに首を突っ込むほどの勇気はないし……迷惑すぎるだろう。
好きの気持ちに歴も歳も関係ないけれど、幼なじみというカードはあまりに強すぎて歯が立ちそうにない……と言い訳。

彼はキョトンとしてから
「あれ、まさかオメーも参加すんのかよ、クラスのクリスマス会」
カラオケだけで理解できたらしく、そう口にした表情はまたしても驚きに染まっていた。
あぁ、そうだ。散々私らしくない。私はそんなのに参加して盛り上がるみたいなタイプじゃない。クリスマスだってこんなに意識したことはない。

「参加するつもりだった、けど！！…でもやっぱ……その」
快斗の顔を見た。らしくない事をしようと思ったのは、誰のせいだと思ってんだこのバカ。間抜け面を睨むと、さらに間抜けな顔が返ってきた。これほど憎らしくて腹が立つのは、久々だ。なんにもわかってない、この顔に。

二人で………なんてそんなのは馬鹿で夢みたいなことだとは思ってたけど。期待なんて、してたわけじゃないけど。

「用事あるから、無理、かも」
園子に言ったら怒られそう、そんな事を考えて笑ってみた。
「へぇ、用事あんだ」
彼の復唱を聞いて、ついに断ってしまった実感にさらに気分は下がる。

蘭、は新一と電話でもするだろうか。園子は京極さんがいるからきっと空いてないし。どこか出かけるにしたって、街には1人ぼっちの人なんてクリスマスにいないはずで。髪でも切りに行こうか。クリスマスの日に？失恋、じゃあるまいし。
………失恋、って。

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