平凡に終わりを告げられる (ページ37)

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「…そういうジェミンだって雨の日はお日様が泣いてる…とか言ってたじゃん」

ＪＭ「あー、そうだったっけ。小さい時の俺ってホント可愛かったよなー」

「まさかのノーダメージ…」

ＪＭ「そりゃ今やってたらやばいけど、小さい時の話だし。ダンゴムシも普通にいい話じゃん。健気で、ちょいお馬鹿なとこが」

「だから馬鹿にしてるじゃんかー！」

なんでこれが幼馴染なの。

なんでこれが初恋だったんだ私。
10年前にタイムスリップして子供の時の私に聞いてみたいよ。

…どうせこの甘い顔にやられたんだろうけど。

ＪＭ「あ、そうだ。母さんにおばあちゃんが送ってきた桃をAの家に持ってけって言われてたんだ。帰り俺ん家寄って、持って行ってよ」

「やった！ジェミンのお祖母ちゃんが作った桃私好きなんだよねー！でも、桃重いからジェミンが持って行ってよ。どうせすぐ近くだし」

ＪＭ「え、まぁ良いけど」

家から一番近くの駅で降りて、ジェミンの家に一直線で帰る。

ジェミンが私の家に来ることはあっても、私がジェミンの家に来るなんて無いから10年ぶりにジェミンの家の玄関にお邪魔することに。

ＪＭ「ちょっとここで待ってて。母さーん。Aの家に持っていく桃どこー」

お母さんと話すときになると、ちょっと息子らしい話し方になるジェミン。

ふっ、大学ではアイドル扱いされてるジェミンも家に帰ればただの人の子だ。

この玄関といい、息子版ジェミンと言い、なんか昔の記憶が思い返される。

しみじみと、玄関にある金魚の水槽を見てると向こうからバタバタと足音が聞こえてきた。

ＪＭ母「あら、やだー！Aちゃんじゃない！うちに来るなんて久しぶりねー！せっかくだから上がっていってよ！」

「へへ、お久しぶりです。でも迷惑じゃないですか？」

ＪＭ母「やだ、敬語なんてよそよそくなっちゃって。前みたいにおばちゃんって言ってくれてもいいのよー！」

あっはっはーと、私の肩を叩くジェミンのおばちゃんは相変わらず元気で、うちの母と同い年とは思えない美貌だ。

おばちゃんに誘導されるままに、リビングのソファに座ってジェミン親子が来るのを待つ。