平凡に終わりを告げられる (ページ13)

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YH「うわ、A。目のクマひどいよ。大丈夫？」

「提出今日までの課題してたら寝れなくて…帰ったらまた続きやんなきゃ…」

YH「ほんと、撮影期間中のAってゾンビだよね。終わったら存分に寝て、存分に遊びに行こう。ご飯奢るわ」

「ユニ…肉、肉が食べたい」

YH「好きなだけ食べさせてあげるから、元気だしな？」

よしよしと、背中をさすってくれるのは学科は違うけど教養科目で知り合った親友のユニ。
友達が今まであまりできなかった私にとってユニは親の次に大事な存在だ。

YH「そうだ。ジェミンくんがこれAに渡してって。さっき置いてったよ」

「え？ジェミン来たっけ？」

YH「休み時間にね。Aが寝てたから起こそうと思ったけど寝かせてやれってこれだけ置いてったのよ」

「そら、まぁ…ありがたいことで…」

YH「何その反応―！？ほんと…幼馴染とはいえあんなイケメン相手になんでそんな白けた反応とれるのか…」

信じらんなーい。と嘆くユニをははと笑って軽く流す。
ユニと他愛もない話を交わして、家に着くと、そこには見慣れた靴。
そして、今のほうから「おかえりー」とポテチ片手に出迎えるジェミン。

JM「靴をそろえたら、まず手を洗ってうがいをしましょうねー」

「もう…お母さん勝手にジェミン家にあげないでって言ったじゃん！」

JM「まぁ、幼馴染に対してなんて物の言い方なの！？」

「あとそれ私のうす塩だし！」

JM「あ、マジ？おばさんがくれてそのまま食べてたわ。食べる？」

手でポテチを私の口の前に持ってくるジェミン。
あーんって誰がするか。っていうか、今までこんなことした事なかったのに、なんだこの距離感！

「食べない。ていうか、どうせ来たからには晩御飯まで食べるんでしょ？」

JM「うん。今日はハンバーグだぞ」

「わーい、最高―！って、なんでついてくるの？」

JM「おばさんがご飯できるまでAと一緒に遊んでなさいって」

「遊ぶって…そんな小学生でもあるまいし…」

お母さん…私たちも成人済みの男女ですよ。
ジェミンと私じゃ絶対にそんなこと起きないけど、年頃の娘を男と二人きりにさせるなんて心配じゃないのか！？
第一、ジェミンとは幼馴染だけど中高はあんまり喋らなくて大学で、就活サークルの撮影きっかけでまた話す中になったくらいの距離感なのに…。
親ってそういう子供の事情とかはよく分からないんだろうなぁ。